国という名の生物
例によって繁忙期です。このままだと経理の方って一年中決算中になってしまうのではないかと心配になってしまう今日この頃。
そのため、若干遅くなりましたがアメリカの大統領選の結果について。
法律では、会社に対して「法人格」というものを与えます。これは、会社をまるで人のように扱うことによって法律関係を簡単に処理しようとするものです。
この概念の下では、会社で働く人々は、会社の頭や手として扱われます。モノを決める取締役会は頭、会社を代表して契約を結んでくる代表取締役は手です。では、私たち一般社員は・・・?言うなれば血液です。会社の中に脈々と流れる血の一滴。
今回のアメリカ大統領選挙を見て、そんなことを思い出しました。人ではないただの概念であるはずの会社が人のように扱われる。面白い考え方だと思います。
Objective
アメリカ大統領選の結果の意味を考える!
Conclusion
動的均衡と自己複製!
Background
今回のアメリカ大統領選挙の論点は只一つでした。
「希望はどこだ?」
そのことを裏付ける数値があります。タイム誌によると、オバマ氏が選挙に参戦した時、アメリカ国民の93%はアメリカが正しい方向に進んでいないと感じていたそうです。93%。どれだけ悲観的な国民でも93%の人が国の方向性に疑問を持つことは無いと思います。
悲観の中、人々が求めたもの。それがChangeです。そして、オバマ氏はまさしくChangeの体現者そのもの。最大の特徴はなんと言っても黒人であるということ。
今回の選挙に関する記事を何本か読みましたが、全てに必ず取り上げられているのが、黒人社会への考察でした。僕は、文化的なバックグラウンドが異なるため完全には理解できなかったのですが、日本の海外からの移住者の拒絶と同等以上の危機感を記事からは感じました。 特に印象に残ったのは、2040年には白人と黒人の人数が逆転するという事実をどのように考えるかという記事。マジョリティを占めていた人種がマイノリティに陥る時の危機感が表れていました。
その逆風をも味方に付けたのがオバマ氏。父親が黒人、母親が白人というバックグラウンド、兄弟、姉妹、めい、おい、おじ、いとこに全ての人種いるとの人種的多様性、ある一つの方向に偏らないバランス感覚。そして、エリートでもある。全てがオバマ氏のアメリカ合衆国の「統合者」としての資質のサポートとなりました。
ちょっと余談ですが、僕が政治家について分類する時には、縦軸:独裁型vs調整型(リーダーシップを採るか協議制とするか)、横軸:攻撃的かvs守備的か(相手や論点に対する態度)というマトリクスで考えます。例えば、小泉さんは攻撃的独裁型、福田さんは守備的調整型です。但し、通常攻撃的な人は独裁型ですし、守備的な人は調整型です。しかし、オバマ氏は攻撃的調整型。あまり見たことがありません。自分を失うこと無く、人々を束ねることができる人を。まさにthe Uniterです。
彼は言います。私たちは、単なる多数の寄せ集めではない、アメリカ合衆国なのだと。そして自分が歴史を作るのではなく、アメリカ国民がそれを成し遂げるのだと。
この人々の変革への希望と、その全てを受け止めるオバマ氏の器が、新たなChangeを生み出したのだといえます。
ところで、僕はこの大統領選出のプロセスが生物の自己調整システムの一環であるとしか感じられないのです。
ブッシュ大統領下での停滞感、金融危機から生じる焦燥感により、国がChangeを必要としました。それを受け、国の血液である国民が一致団結してChangeを模索する。そして、Changeの体現者である大統領が見出され、人々の手で大きく育てられ、国の代表者に任命される。結果として、国の新陳代謝が活性化される方向に進む。
これは、生物は絶えず変化しながら安定するという動的均衡そのものです。
また、DNAには必要な時に自分を修復することができるようバックアップ機能が備わっています。それと同じように今回の選挙は、国が、変化に対応できるように最適な人物を選び出し自己複製を図ったものであるように感じられます。
ここで、生物と無生物のあいだによれば、生物とは自己複製システムと定義されています。とすると、動的均衡のため自己複製機能を発揮した国は生物であると言えませんか?
最初に戻りますが、私たちは国の血液であるともいえます。一滴一滴は大したことが無くとも、集まれば栄養を運び、器官を作り、体を変えます。変えられます。
Yes We Can。
ではでは。
参考文献
大統領選挙勝利宣言
探してみたら、You tubeで字幕付のオバマ氏大統領選挙勝利宣言がありました。オバマ氏の常人離れした演説の力をぜひ生の英語で聞いてみて下さい。
あなたの知らないオバマ氏50
英語ですが、オバマ氏についてのへー×50。温かみを感じます。
| 生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)
著者:福岡 伸一 |
☆×5
難しい内容をいとも簡単に書いてあるという凄い本です。また、著者の日本語の語彙が豊かで、文章を読んでいるだけで良い気持ちになれます。休日に生命の不思議に思いを巡らせながら読んでみて下さい。素敵な休日となると思います。
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