本の紹介 - 起きていることはすべて正しい
再現性、爆発。
そんな感じの本に仕上がっていると思います。
どのようにすると目標をここまでの実行レベルに落とし込むことができるのでしょうか。
しかも、今回は「運を掴み取る」という、雲を掴むような話です。
Objective
偶然を幸運に変える「技術」を学ぶ!
Conclusion
偶然は偶然起こっているのではない!
Background
運。神の気まぐれ。
本書で勝間さんは、その領域にまで踏み込んできました。
ただ、決して精神論で終わらないのが勝間さんの本。今回の本でも実行できるレベルまで「運」をブレークダウンしています。
私たちの周りでは、無数の事件が起こっています。しかし、ほとんどの事件は私たちにとっては、「起こっていない」。それは、私たちが起こっていると認識しないからです。
ものはあると認識するから、そこに「在る」。しかし、私たちは在るべきものがあっても驚きません。無くなって初めて驚く。では、在ることに驚いたら?常に驚き続けることになってしまいます。逆に言えば、在ることに驚くことができるのならば、常に驚きを見つけることができるのです。
最近、有名になったSerendipityというものです。偶然から幸運を発見することのできる力。
そしてその力が強ければ、より多くの発見を行うことができるのです。
発見数 = 事象の数 × 発見する可能性
認識することのできる物事の数を増やすことは、絶対的な発見の機会を増やします。発見する力を高めることは、事象の中から宝物を発見する可能性を高めます。そして、両者は掛け算で作用する。よって、発見の数は乗数的に増えていきます。
・・・回転寿司で、トロを見つけやすくするためには、①回る皿の数を増やす、②トロがないか注意して見るということと同じです。
この両者を掛け合わせた「発見力」のための技術を本書ではとことんブレークダウンしています。
発見力を身に付けるために必要なものは4つ。
①精神力
②決断力
③行動力
④人間力
これら全てが支えるのは、「前向きに生きる」力。
僕は、本書を読んでSerendipityとは物事を前向きに捉える力だと思いました。様々な事柄に対して、悪く考えすぎず、迷いすぎず、思い切り良く、人と協力して向かい合いましょうということ。言うのは簡単。では、そのために何をすればよいの?という点から行動レベルまで勝間さんは落とし込んでいるのです。
そして、その要は一言で言うと「圧縮」。
無駄をそぎ落とし、必要なものを見極め、ぎゅっと小さく、固く、しなやかに。必要十分な心と体と人間関係を創ること。そのように創られたものは丈夫で、美しい。
そんな固さをめざすために様々なものを「捨てる」ことを本書は推奨しています。効率化の本質は、捨てることだと。
捨てることは、本当に必要なものが分かっていないと出来ないことです。ものを持っていることは安心感を生みます。しかし、それは肥大化を招いて動きを鈍らせる。それを防ぐために捨てることが必要だというわけです。
強く固くなった私たちにとって、毎日が驚きの対象となります。些細な変化にすら反応することができる。そして、その中から様々なことを見つけ出すことができる。そんな自分を想像するだけで楽しくなってしまいます。
道は開かれています。さぁ、実践!
ではでは。
参考文献
![]() |
![]() |
起きていることはすべて正しい―運を戦略的につかむ勝間式4つの技術 著者:勝間 和代 |
☆×5
今回もより大きなセグメントを狙いにいったのでしょうか。徐々にビジネス書に分類されない本が増えてきている気がします。本書は、ビジネスパーソンに限らず全ての人達に通用する「原則」です。人生の「守」と言える気がします。
余談ですが、P239で「守・破・離」という言葉を勝間さんも使われていました。これは嬉しいです。
| 固定リンク
「オススメ本を広めたい!」カテゴリの記事
- ビジネススクール教授のオススメ本まとめ(2012.08.13)
- 最速で利益を生み出すために - 本の紹介リーンスタートアップ(2012.06.11)
- 達人と持続する情熱 - 本の紹介: 勝ち続ける意志力(2012.04.19)
- 本の紹介 - 戦略不全の論理(2011.09.19)
- 本の紹介 - さよならドビュッシー(2011.08.23)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
連続コメントで申し訳ありません。
またトラックバック承認して頂きありがとうございます。
そして自分のブログも読んで頂きありがとうございます。
ポメラ、なかなか活躍してくれてますよ!
ちょっとタイピングになれるのに時間がかかりそうですけど。
最後に、しんのすけさんがこの記事を書いて、
それに呼応するように僕も記事を書きました。
もし既にお読みでしたら嬉しいですが、
念のため連絡&トラックバックしてみました。
下記に示すアドレスが該当記事となっています。
それでは、またブログの更新楽しみにしています。
http://sijiro.13.dtiblog.com/blog-entry-473.html
シジロ
投稿: シジロ | 2008年12月 5日 (金) 11時34分
シジロさん、お久しぶりです。正直、勝間さんのブログでリンクを張って頂いただけでここまで反響があるものなのかと驚いています。影響力のある方はすごいなぁとただただ感嘆です。
勝間さんの今回の本も350ページ超にもかかわらず1時間かからずに読める本でした。文章のまとめ方、記載の仕方が素晴らしいのだと思います。
シジロさんのブログも楽しく拝見しています♪ポメラ、かなり惹かれます。。。
今後ともよろしくお願いします!
投稿: しんのすけ | 2008年12月 4日 (木) 22時12分
しんのすけさん、お久しぶりです。
そして勝間さんのブログでの掲載、おめでとうございます。
やっぱり知ってる方が掲載されると一緒に喜んでしまいます。
またしんのすけさんの記事はいつも読みやすくて、かつ分かりやすいです。
ただ記事にてビジネス書に分類されない本と記載されていますが、
この本は自己啓発系に属して
やっぱりビジネス書に分類されるのではと僕は思いました。
しかし、しんのすけさんが仰る通り、趣向を変えて、
若者に対してアクションをおこしたいと願っているのかもしれません。
というのも、この本の最後の方に書かれていた講演の取捨選択から
そのように僕は予想しました。
なんにせよ、僕の勝手な予想なので、あまり信頼度は低いですが
また、僕のブログへのリンクを貼って頂きありがとうございます。
こちらのリンク集にも追加したいと思いますので、
また遊びにきてください。
それでは失礼します。
シジロ
投稿: シジロ | 2008年12月 2日 (火) 19時37分