最安値の「約束」
新聞の整理っていつも結構大変です。。
その最中、12/4(水)の日経新聞で西友が地域最安値を「約束」するとの記事を見つけました。先週この記事を読んだ時、なんだか、専門学校の懐かしい授業を思い出してしまいました。
そこで、今回は最安値の約束について考えてみます。
Objective
最安値の約束の秘密を知る!
Conclusion
ジツは価格の底割れ防止!
Background
地域最安値の約束とは、「他のお店が安売りをしているチラシをもってきたらその価格で販売します」という販売戦略です。一見、安売競争の激化に見え、消費者にとってはプラスに感じられます。
ここでポイントなのは、「他のお店が」と、「その価格で」販売するというものです。つまり、今回の西友の戦略は、「待ち」です。他のお店が価格を下げるという戦略に反応して西友も価格を下げるという戦略をとるというもの。
逆に言えば、西友は自分からは積極的に価格を下げることはしないということです。ということは、他のお店が価格を下げなければ、商品の価格は下がりません。それによって、商品の価格を下げるインセンティブが無くなります。価格を下げても西友が追随するので、お客をより多く獲得することはほとんどできないのです。
よって、西友が「最低価格での販売」を「約束」することによって、逆に価格は下がらなくなってしまいます。
この販売戦略はゲーム理論という経済学の理論で説明されます。ゲーム理論とはお互いに影響し合う複数のプレーヤーの想定の基、最適な意思決定を行うことを目的とした理論です。
もちろん、これは影響力のある会社だからこそ採れる戦略であり、また、約束した会社から積極的に価格を下げるということをすれば全く違った結論となります。しかし、理論的には価格を下げることはないはずです。
最低価格を保障したはずなのに、逆に価格が下がらなくなる。経済って面白いです。
ではでは。
参考文献
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ゲーム理論トレーニング
著者:逢沢 明 |
☆×4
ゲーム理論の基礎を分かり易くまとめていると評判の本です。ゲーム理論の入門に最適だと思います。囚人のジレンマやナッシュ均衡等まさにゲーム理論に入門したという感を得られること間違いなしです。
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