エコの効率性
5年前程度から、エコについての意識が高まっているのは感じていましたが、昨年~今年にかけてのエコブームは少し作られている感じがします。
企業が商品にエコと名前を付け、買い替えを進めることはエコなのでしょうか。
環境に対する配慮の心が個人に根付くことは良いことだと思います。
ごみの分別も習慣化されれば全く苦にはならなくなりました。むしろ分別しないと気持ちが悪いくらいです。
しかし、効率性を無視したエコは逆に環境に悪いのではないでしょうか。
年末に見た相棒というドラマから少し考えてしまいました。
Objective
エコの効率性を考える!
Conclusion
再生物の利用による省エネ>再生に要するエネルギーの場合「のみ」エコ!
Background
エコを考えることは、エネルギーの効率的な利用を考えることと同じです。なぜなら、エコ活動とは限られた資源をより効率的に利用しようという目的の活動だからです。
前提条件として地球上のエネルギーは一定と言えるそうです。「エネルギーの使用による資源の減少」とは、厳密には「エネルギーを使用したことにより、効率的にエネルギーを取り出すことができる物質が消滅し、エネルギーを取り出すことが困難な物質に変わること」と言い換えることができます。
例えば、木は燃えやすく、エネルギーを取り出しやすい形態の物質です。その木を燃やすとエネルギーと木炭というエネルギー効率の落ちた物質に変化します。
これを、エネルギー保存の法則と呼ぶそうです。また、エネルギーが拡散してしまうことをエントロピーが増大すると呼ぶそうです。
現状では、少ないエネルギーで効率的にエネルギーを取り出すことのできる物質(石油など)を生み出すことは実用化されていません。そのため、効率的にエネルギーを取り出すことのできる物質は常に減り続けています。
その配分を考えるということが、エコの真意だと思います。
しかし昨今、エネルギーの効率利用ということを考えず、逆にエコ活動にエネルギーを浪費してしまっているような気がするのです。
例えば、エアコンのエコ替え等は、エアコンを取り替えることで省力されるエネルギーと比較すべきは、新しいエアコンの消費電力のみではなく、新しいエアコンを製造するために必要なエネルギーを加算したものとなると言えます。既にあるエアコンの製造エネルギーは埋没費用です。
要するに、無駄に作ればエコでは無いという当然の結論を忘れていないかという懸念です。
他にも、現状ではペットボトルを効率的に再生産できないのであれば、回収に資源を配分するよりも、再利用のための研究に資源を配分すべきと考えられます。極端な例を挙げると、ペットボトル一本を回収するためにトラックを一台使用したら、利用できなくなるエネルギーの方が大きくなってしまうということです。それだったら、回収を諦めて効率再生の方法を模索する方に資源を配分した方が良いのではないでしょうか。
このように、私たちのエコ活動は効率性の観点から合理的なのか非常に気になってしまった年末・年始でした。
もちろん、環境に配慮すること自体が悪いと言っているわけではないですよー!
環境に配慮することによって、逆に非効率になっている活動が悪という意味です。
木を見て森を見ずにならないように気をつけたいものです。
心がけ一つで世界は変わりますから、ね。
ではでは。
参考文献
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非線形科学 (集英社新書 408G) (集英社新書)
著者:蔵本 由紀 |
☆×4
上述のエネルギー保存の法則からカオスの理論まで、y=ax+bといった単純な構造で出来上がっていない自然を研究した科学の解説です。数式は一切無いにもかかわらず、詳細な説明にまで踏み入っています(初心者レベルでは)。自然はこのように考えるのかと、知っていると世界を見る目が変わる内容です。
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弾言 成功する人生とバランスシートの使い方
著者:小飼 弾,山路 達也 |
☆×4
様々なトピックを幅広く紹介している、日本を代表するαブロガーによる書籍です。そのうちの第4章でエネルギーについても解説されています。個人的には、第3章の仕事の管理の仕方が非常に勉強になりました。貸借対照表の理解については、会計士としては少し馴染めない部分もありましたが、会計も勉強できるお得な本です。
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