本の紹介 - 断る力
リサイクルの定義ってすぐに思いつきますか?
リンク先の通り、考え方のフレームワークは2つ。
①素材としての再利用
②熱としての再利用
そのため、一言で言うならば「資源の循環」です。
今回紹介する勝間さんの本は、「時間のリサイクル」についての本。
皆が等しく持っているハズの時間を適切に再配分することによって、スムーズに循環させるための考え方を謳っています。
ポイントは、前著から引き続き「捨てる」ことだと思います。
アイディアの源泉は・・・24時間風呂!?
Objective
「断る力」を発揮できるようになる!
Conclusion
「自分」があって初めて断れる!
Background
本のタイトルを見て即買おうと思ったあなた。日本人ですねー。
そういう僕もその一人(涙)。
以前、「プロフェッショナル養成講座」という特集本がハーバード・ビジネス・レビューの別冊として出ていました。
その中で一番僕の目を引いたのが、一番最後の記事「時間を有効活用できない人たち」の中に書かれていた、下のような人たち。
①先行しすぎタイプ: 自分のペースだけで考えてしまうタイプ
②お人好しタイプ: 何でも引き受けてしまうタイプ
③完璧主義者タイプ: 完璧でないと気がすまないタイプ
④先送りタイプ: 締切直前まで何もやらないタイプ
日本人の90%が②に該当するのではないかと思料。時折①③④が混ざる複合症候群。
なぜ、そうなるかというと勝間さんに言わせれば、「子供サッカー」(p.49)をしているから。
何も考えずにボールが集まるところに集まる。何も考えずに突っ走っている。
この状況が続くと、いわゆる「コモディティ(汎用品)」(p.15)になってしまう。
つまり、いるとすごく便利なんだけど、いなくても全然何とかなる人材です。
はい。思いっきり僕のことorz
では、打開策は?
それは、専門性を持つこと。スペシャリティ(p.98)を持つことです。
では、スペシャルになるためには?
それには、まず、①自分が何に強く、何に弱いかを把握すること。そして、②継続的に客観的な評価を受け続けることが必要です。この説明に第2章をまるまる全て使っています。
前から思っているのですが、何かに流されるときって自分のShould beが無いときです。
主体性の欠如。「こうなりたい」や「これをやりたい」が無い。
それって、ジツは自分の人生をどうしたいということを考えたことが無いからではないでしょうか。
もしくは、考えたけれども考えが浅く、明確な姿が浮かび上がっていない。
少なくとも、僕はこれまであまりなかった。ただ、がんばっていただけ。
だから流される。
この本が本当に伝えていることは、単に「断る力」を身につけるということではなく、「あなたは本当はどうしたいの?どうなりたいの?」という問いです。
そして、自分が本当に伸ばしたい部分に全力を注ぎなさいというアドバイス。
客観的な評価を受けながら。Plan-Do-Seeのサイクルで。
思考の停止、考えることの放棄は一時的に楽です。しかし、その結果は汎用品。いくらでも代替可能なシロモノとなってしまうのです。そら恐ろしくないですか?僕はCommodityという言葉を見て身震いしました。
時間をリサイクルしましょう。
悪い習慣に費やしている時間をぐつぐつ溶かして、新しい良い習慣をつくりましょう。
そのために!今こそ言うのです。「No!I don't!!」
ではではー
<もっと知りたい方のために>
![]() |
![]() |
断る力 (文春新書 682) 著者:勝間 和代 |
☆×5
前作より僕としてはヒットです。本の半分をかけて断ることの大切さを説いています。また、自分の適正の評価と社会での相互扶助を説く、2章-4章もぜひ読んで欲しいです。個性の重なり合いが社会だということを思い出させてくれます。
ただし、本書は仕事や家庭の「守」ステージを修了し、「破」に進んだと感じている方限定の本です。一通りの経験された方が、次のステップに進む時に読む本だと思います。だから、僕は新人には勧めません。3年経って迷いが見えた後輩にそっと渡したい本です。
プロフェッショナル養成講座
☆×4
今回の記事では、一番最後のどちらかというと末端の記事を扱いました。全体としてはビジネスマンに必要なスキルを広く扱ったものです。ロジカルシンキングから時間管理等幅広く、コンパクトにまとまっているので、道標的に使うと良いと思います。
| 固定リンク
「オススメ本を広めたい!」カテゴリの記事
- ビジネススクール教授のオススメ本まとめ(2012.08.13)
- 最速で利益を生み出すために - 本の紹介リーンスタートアップ(2012.06.11)
- 達人と持続する情熱 - 本の紹介: 勝ち続ける意志力(2012.04.19)
- 本の紹介 - 戦略不全の論理(2011.09.19)
- 本の紹介 - さよならドビュッシー(2011.08.23)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント