本の紹介 - 読書について
150年前に放たれた多読へのアンチテーゼ。
月に本を5-10冊は読みます。
時間が空いたらスキルアップのために本を読んでいます。
本を読まない人間はサルです。
…と思っている勤勉な方は必読。
「数量がいかに豊かでも、整理がついていなければ蔵書の効果はおぼつかなく、数量は乏しくても整理の完璧な蔵書であればすぐれた効果をおさめるが、知識のばあいも事情はまったく同様である。」
この一文から始まるこの本は、見事に僕の陳腐な自尊心を粉砕してくれました。
Objective
本を読む姿勢を考える!
Conclusion
自分の頭で一瞬でも考えない限り意味はない!
Background
「思索」「著作と文体」「読書について」の3篇からなるこの本は、本の虫への容赦のない殺虫剤です。全ての行があまりに強力で、読み終わると息も絶え絶え。
近年品種改良によって生み出された多読家という本の虫はとても真面目な生き物です。月に結構なお金を使います。新しい情報は適時にキャッチアップできるぐらい、食べるのが早くなっています。時間さえあれば口に何かを含んでいないと落ち着きません。
それもこれも過酷な生存競争に打ち勝つため。強くないと生き残れないので食べるのです。
しかし、それが体を蝕んでいることに虫は気づいていません。お金をかけ、時間をかけているにも拘わらず、そんなに強くなっていない。いや、むしろ弱まっているときすらも。
なぜか。
食べすぎだからです。
食べることに時間をかけすぎて、運動の時間がとれていないからです。
スポーツの世界に照らしてみると当たり前のことです。体をつくるために、最高の栄養価の食品のみを口にする。美味しくないご飯も鼻をつまんで食べ続ける。がんばりは認めますが、それのみによってできあがる体は見るも無残なぷよぷよ形。
食べたら、動く。体を鍛えるために当り前のことが、こと頭になると実践されなくなってしまいます。読書という行為は食べる作業。動く作業とはまた別です。
par.2
「読書は、他人にものを考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない。」
読書それ自体は悪いことではないのです。守・破・離で言えば読むことが守、考えることが破、実践が離です。守を飛ばして破には行けません。破るものがないからです。ただ、守にとどまるのみでは得られるものは少ないのも事実。3stepを踏んで初めて成長があるのですから。
食べたら動け。そんな当たり前のことを強く教えてくれる一冊でした。
月に5冊は軽い、全ての本の虫への課題図書です。
ではではー
P.S.
どうやら本書には深い背景があるようなのですが、そちらは弾言で。
<もっと知りたい方に>
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読書について 他二篇 (岩波文庫)
著者:ショウペンハウエル |
☆×5
読まないとサルですが、読むだけでは虫。厳しい世の中です。資格と違って目に見える形で残らない読書は、自分の血肉としない限りお金と時間を捨てていることと同じです。読書を一定のリターンを得るための投資と少しでも考えているならば、避けて通れない一冊です。
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本は10冊同時に読め!―本を読まない人はサルである!生き方に差がつく「超並列」読書術 (知的生きかた文庫)
著者:成毛 眞 |
☆×4
題名が全てです(笑)。しかし、著者がマイクロソフトの日本代表取締役に就任したのは36歳。36歳の時にマイクロソフトの社長職を担当できますか。まずは、読むことが大切なのは間違いないと思います。
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