社会人になってようやく「読める」-吾輩は猫である
こんなもん、高校生の時にわかるハズがない。
再読のきっかけはipod touch。Bylineによって、 僕のipod touchは完全に電子リーダーと化しています。そんな中で見つけてしまったアプリが「i文庫」。
450円で買える幸せ。人気の日本人作家純文学150本以上が読み放題。
興味があったけれども食指が動かなかったあの小説、名前は聞いたことのあるこの小説。純文学の世界にどっぷりとハマって出られません。あぁ、最高。
任天堂の文学大全に一瞬でも興味を持った人なら、迷わず購入すべき名アプリです。
さっそく読んだのが、夏目漱石「吾輩は猫である」。高校以来の再会。
…て、こんな話だったっけ!?
Objective
吾輩は猫であるから学ぶ客観性!
Conclusion
第三者の目を得ることによってより深く物事を見ることができる!
Background
吾輩は猫であるは猛毒の風刺小説です。ただ、この風刺がどれだけ優れているかは、社会に出て一度働かないと分からなかった。
社会人のほとんどは不自由さを感じているハズです。それだけに本作は、ほぼ全ての人の心に届く一作。つまり、実際に不自由を体験することにより、その不自由さを指摘する猫の言葉がより深く理解できるようになるという、束縛度測定器のような小説だったのです。
うーん。かなりのM小説。自由度が圧倒的に高い学生の時には気づかないわけだ。
そんな人間を冷視しまくっている猫君から学ぶことはとても多い。
たとえば、猫は人間という巨大な力の前に真っ向からはなすすべはないです。かといって自分を曲げて媚びることはしません。巨大であるが故に生まれる小さな隙間を上手に縫って生きていきます。…これって、大企業に立ち向かう中小企業と同じでは?
また、夏目漱石は猫の目を借りることによって、自分とは何か、人間とは何かをより深く理解することができています。…この考え方は、会社のポジショニングや戦略策定にも使えるのでは?
普段とは異なる目線を使うことによって、初めて見えてくることがある。多面的に物事を理解することができる。普段から、競合の目、お客の目、自社の目を使い分けることによってアイディアの深度は増すと思います。
非日常の目線を獲得したい方、ぜひ、ご再読を。
***
純文学は読むと寂しくなるのが良いところであり、悪いところ。特に秋~冬にかけて読むとなんとも言えない物悲しさを感じてしまいます。
そんな時の感受性はいつもの倍以上。何気ない普段の光景が別のものに見えてきます。
感受性のドーピング、純文学。久しぶりに読むと良いですよ。
ではではー
<もっと知りたい方へ>
i文庫
ipod touch/iphoneで文字を読むことに抵抗がないのでしたら、自信をもっておすすめできるアプリです。僕の中ではBylineに次ぐ必須アプリになっています。蟹工船、銀河鉄道の夜、走れメロス…本当にタダで読めていいの?と少し申し訳なくなるぐらい。最先端の機器で過去の知己を読むというギャップも結構好きです。
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