ルールを変えろ!!
中国の政府の言葉にこんなものがあるそうです。
「三流企業がモノを作り、二流企業が技術を開発、一流企業がルールを決める」
ルールとは規制に限らず。モノの見方、考え方、評価、そんな規定のキマリゴト全般です。
一つの企業、一つの業界、一つの生き方に浸れば浸るほどモノの見方は固定化されていきます。効率化で自分を環境に適応させるためにです。
そんなルールが変わること、それがパラダイム・シフトです。
Objective
パラダイム・シフトについて考える!
Conclusion
パラダイム・シフトのチャンスは4回!
Background
パラダイムとはルールです。世界はパラダイムによって守られ、動いている。ですが、このパラダイムが完璧に変わってしまうことは意外に多く起こっています。
世界文化のレベルの話では、一昔前ではグーテンベルグの活版印刷機、最近ではインターネット。世界のあり方が完璧に変わりました。
パラダイム・シフトが起こると既存の秩序が乱れます。それによって新しい価値を得る者もいれば、失う者もいる。特に旧秩序への投資が大きければ大きいほど、資本財が積み上がっていればいるほど方向転換が難しい。そして業界単位でのシフトはより頻繁に起こっています。
写真業界では、デジタルカメラの出現によって現像が不要となってしまいました。デジタルカメラはフィルム型のカメラを駆逐するのみでなく、街の写真屋さんをも排除してしまいました。写真への人々のかかわり方が変わってしまった例です。
そんなパラダイム・シフト、どんな人が起こしうるのか。「パラダイムの魔力」によれば4人。
1.新人
2.他分野から来た経験豊富な人
3.一匹狼
4.こだわり屋
1-3は新しい見方で積極的に見る人、4は粘り強くかかわり続ける人です。4があるのは長年業界にいる人にとっては少し安堵。
一番強力なのは、新人でしょう。何も知らないだけに、何をするかわからない。そして、1/1000の確立でもイノベーションを起こせる人がいたならば、それは社会全体に信じられない価値をもたらすのです。
と、いうことで、大企業が1000人雇うのは、この0.1%のイノベーションを起こすことも理由一つだと思うのです。ですが、ほとんどの企業では研修によって個性を潰した後に現場に入れる。研修よりも先にやらせるべきは、未解決の問題への挑戦なのです。彼らはそれを挑戦とも思わないのですから。
2もほとんど新人なので、新人期間が終わってしまったら、3か4にならざるを得ない。いつもナナメにモノを見続けることが必要です。でも、これはなかなかシンドイし、やる人は少ないと思います。
と、いうことは、雇用が固定化している状況というのはイノベーションを遠ざけている状況としか言いようがない。
日本で近年イノベーションが生じない理由は、構造的な雇用の非流動性にも一因があるのではないかと思ってしまった今日でした。
***
最近、雇用の固定化が生む機会損失にだいぶ思いを走らせています。
若年層の非雇用化が進むのも、イノベーションが起きないのも、構造的な問題ではないかと思うのです。
流動性が高まることは必ずしも悪いことばかりではありません。
勇気さえあれば。
ではではー
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今年、一冊目のおすすめ本です。これはすごい。1995年に書かれたので15年前の一冊なのですが、全く事例も古さを感じさせないです。パラダイムとは何か、どれだけパラダイムに囚われて生きているのか、そして、それをどのように変えるのか。豊富な事例と丁寧な論証が楽しめる最高の一冊。たとえば、メガネやコンタクトのあなた。最後にそれらを見たのは何時ですか?(笑)
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