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本の紹介 - ストーリーとしての競争戦略

あなたはブログを書こうとしている。悶々と悩みようやくタイトルを決める。

段々と書くことに慣れてくる。テンプレート化を進め定期的にエントリーをポストできるようになる。エントリーの質も高まってきた。注目を集めるようなタイトルを付けられるようになり、SEO対策も完璧だ。Twitterも始めた。

それでも、人が来ない。。

実はこれ、数多くの企業が悩んでいることと全く同じだったのです。世の中には無数の企業が激しい競争を繰り広げています。その中で一握りの企業が頭角を現します。その一握りの企業が他の企業と何が違うのかというと、儲けるための明確なストーリーを持っている、というのが今回の本のテーマです。

 

 

つまり、ストーリーとしての競争戦略は、「儲け話」の研究です。

この本は様々な企業の様々な儲け話を集めています。今回のエントリーでは本書の中のアマゾンの記載だけに注目して本の流れを追ってみます。まえがきで順を追って読んでくれと頼まれてしまっていますので。

まずはコンセプト
アマゾンは何をお客に提供しているのでしょうか。

本?もちろん。ですが、本を売っている会社なんてたくさんあるのです。その中で、アマゾンだけがなぜ伸びたのか。

アマゾンの創業者は語ります。

「アマゾンは物を売っているのではなく、人々の購買決断を助けることをビジネスの中核としている」

あぁ、なるほどなぁ。アマゾンのサイトにすぐに飛んでみてください。商品の基本的な情報はもちろんのこと、立ち読み機能、作者での検索、他の人が何を読んでいるのか、カスタマーレビュー。無数の購買決断のための情報が並んでいます。これらが、アマゾンの価値です。

大量の品揃え、配送料無料、キンドル。巷で話題になるアマゾンのニュースは、アマゾンにとってはより消費者と繋がるための手段であって、本質的な機能は選ぶことを手伝うことだったのです。

強く、太く、長いストーリー
本書のP.42にアマゾンの戦略ストーリーの図が書かれています。

アマゾンがお客の購買決断をサポートする→お客が良い経験をしたとして商品に関する情報を提供してくれる→たくさんの人が訪れるサイトになってより多くの売り手を惹きつける→さらに商品に関する情報が増える→より多くの人が訪れる→より多くの売り手を惹きつける→(無限ループ)

何をお客に提供し、どのようにお客を増やし、お客が増えることがどのように機能するのかが一目で分かります。

購買のサポートがお客の良い経験を創ります。加えて、お客の良い経験を増やすために大量の品揃え、配送無料、キンドルがあります。それらがさらにお客の良い経験を創り出します。良い経験からお客の数が増え、売り手を増やし、さらにお客を増やすという正の循環が生まれます。

本書では、ストーリーの良さを3つの点から評価します。構成する要素間の因果関係(強さ)、要素の多さ(太さ)、継続性(長さ)です。アマゾンの儲け話はこの3点から見て非常に良い話であることが分かります。

与太話に近かった儲け話が理論的に理解・分解された瞬間です。

スパイスとしてのキラーパス
戦略はトレードオフです。何かを得て何かを捨てることが戦略です。この捨てたもの、キラーパスが絶妙であるためストーリーがマネされず長続きします。

アマゾンが捨てたものは何だったのか。それは身軽さでした。

アマゾンは商品の効率的な配送のために自前の倉庫を持っています。この倉庫への投資が他の企業と全く異なるレベルなのだそうです。1994年に創業されたアマゾンは、4年間で売上を3200倍にした一方、赤字も2300倍にしたそうです。倉庫への投資が嵩ばったせいです。

良いサイトを作るだけでも人は集まったはずです。しかし、現実の世界に高度な配送センターを持つことが他社にはできない商品の迅速な配送を可能としたのでした。今では、配送料無料、当日配送サービスなど他社には無いサービスが創りだされています。これがアマゾンの儲け話をマネしにくくしています。

ストーリーとしての競争戦略を読むべき人とは
アマゾンの話を中心に本のストーリーを追いました。優れた企業の優れた儲け話は読み物としてもとっても面白く、ついつい人にも話したくなってしまいます。

そう、人に話したくなる面白い儲け話こそ儲かるのです。

こんな面白い本を、会社の経営企画部の人たちだけのものにするなんてもったいない。

ブログを書いている方、個人で事業を営んでいる方。
厳しい社会の中で、自分の足で立ちたいと思っている全ての方に読んで欲しいのです。

おもしろきことも無き世をおもしろく。

そんな貴方へ。

ではではー

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