本の紹介 - クルーグマンの良い経済学悪い経済学
今までの自分の見方が根底から否定されていて、少しショック。。
日本経済新聞社
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著者は2008年のノーべル経済学賞の受賞者。ちなみにノーベル経済学を採る前から有名だった経済学者というとっても稀有な方でもあります。その有名になった理由が貿易理論で既存のパラダイムに挑戦状を突きつけたからでした。
本書は表向きはその貿易理論に関しての著者が様々なメディアで披露した論文の集約。一方で、またの名を俗説の吊し上げ。もう巷の諸説を斬るわ斬るわ。
のっけから批判で入ってきます。しかも名指し。曰く「新興国脅威論は誤り」、曰く「競争力という言葉を使って企業の競争と国の競争を混同するな」ですって…あーあ。それって僕も過去エントリーで書いちゃってるのですけど…
なぜ国と企業を混同してはいけないかという理由はぜひ本書でご確認頂くとして、国を企業と置き換えて説明することってすごくポピュラーだと思いませんか。それこそ、政治家の方々が積極的に使うぐらい。でも、それは難しい事象を簡単に説明しているように見せるためのウソである、と。
当然著者が間違っている可能性だってあるのですが、一般的に使われる比喩に学術的な問題があるということは社会人として絶対に知っておいた方が良いと思うのですよ。そうじゃないと、大事なところで即disられる可能性があるわけです。
そう。つまり、本書は「経済について話す時にdisられないために読むべき一冊」!!。とっても消極的な理由ですが教科書では教えてくれないことでもあります。まさにこういう本こそが「必読本」なのではないかなぁーと思うわけです。
もし経済学の本なんてどうしても読みたくないって場合でも、「第8章-大学生が貿易について学ばなければならない常識」だけには目を通した方が良いと思います。イタい間違えの代表6つ。ええ。当然その中に「雇用、雇用、雇用」も入っておりますよ。。
僕のように失敗する前に。ぜひ。
…経済学、もう一度ちゃんと勉強しようっと。
ではではー
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