開示の持つチカラ
物事を公にするっていうことは、とても力のあることだなぁと思った一件。
アメリカの証券取引委員会が新しい開示を義務付ける方針とのことです(Link)。内容は"Conflict minerals"について。
Conflict mineralsは、主にコンゴ民主共和国とその周辺地域で、人権の侵害を起こしつつ紛争を続けるグループによって採掘されている鉱物です(wiki)。このConflict mineralsを売ることによって得たお金でコンゴの内乱は続けられていると言われています。
逆から考えてみればConflict mineralsを買う企業があるがために、コンゴの内乱はファイナンスができているとも言えます。そこでなんとかしてConflict mineralsの取引を絞りたい。
ここからが自由の国アメリカっぽいのですが、直接取引に規制をかけるのではなく開示項目とすることによって間接的に取引を減らそうという考えのようなのです。
取引する企業は鉱物を安く仕入れるためにこのようなルートを使っているのです。ですが、Conflict mineralsを取引しているなんてことが公になったら、間違いなくその企業は非難を免れ得ないでしょう。そこで、この取引をを開示項目とすることによって、社会からの悪評などの取引コストを大幅に増やしてしまい、取引を経済的に割に合わなくしてしまおうという考え方。
頭いいなぁ。
物事を公にすることによって、社会的に望ましい行動を自主的に採らせることもできるという例だと思います。
どこかの国の新資格保有者数の開示制度とは違うなぁ。
ではではー

| 固定リンク
「できればディープに考えたい!」カテゴリの記事
- その仕事を選ぶ理由 - How & What(2012.12.09)
- 良いレビューとは何だろう?(2012.03.09)
- 【ダイバーシティ・プロジェクト】内田氏×勝間氏対談講演(2011.11.06)
- ジョブズが最後に壊したもの(2011.10.15)
- 現代技術と知的生産(2011.03.10)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント