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実学を学ぶということ

実学を学ぶことは、生きる方法を学ぶことと同じなんだ。

earth
earth Photo by Joanna Vaughan

 

ケーススタディという授業


ビジネススクールに特徴的な授業として、ケーススタディという実際の事例を基に考え討議する形式の授業があります。参加者が皆社会人としてのバックグラウンドを持っているので、ある業界の深い知識や今まで考えたこともないような視点を聞くことができてとても刺激的な授業です。

つい先日も面白く授業に参加していたのですが、様々な案が出たところで教授から厳しい一言。

「あなたは、本当にそれをやるんですか?」

ガツンと殴られたような衝撃でした。そう、自分が考えていたことはただの机上の空論。実際にそれをやることがどれだけ大変なのかまで思いを巡らせてはいませんでした。

 

理論と実践の谷間


理論では安売りをすると決めたならとことん安売りを突き詰めないと競争に勝てないと言われています。頭では分かっていました。でも、それを考えている自分が実際に突き詰めてやる覚悟があるかというと、かなりあやしいことに気づきます。

とことんというのは、当然モノ切り、ヒト切りというコストカット徹底するということです。改革の過程で、その後もずっと、ギリギリと締め付けをする文化を保たなければ優位性を創れません。鉛筆一本だって申請制。徹底した意思を表明するわけです。

そうすると当然社内の雰囲気の管理は難しくなりますし、様々な関係者との対立も避けられません。

ましてターンアラウンドでは、再生の方法論の議論の前に資金注入という問題があります。勝負の舞台に上がるために、1.ラストチャンスとして、2.泣けなしのお金を、3.負けている事業にさらに注ぎ込むという大決断をしなければいけないのです。既に同業者には失敗者と陰で笑われている中で、です。

教授の質問は「そんな判断を本当に下せるの?実行できるの?」という問いです。

できません。とてもではないけどできません。
でも、しなければなりません。決断しないと、もっとひどいことになってしまうから。

意思決定は様々な重さを背負っているもので、軽々しくできるものではないのです。そんな当たり前なことにすら気づいていなかった自分を恥ずかしく思いました。

 

sea shore
sea shore Photo by flickrPrince

 

実学は生きるための方法を学ぶこと


無人島では誰だって、生きるために、釣りの仕方を必死で学びます。

魚が釣れなければ死が待っています。

つまり、実学とはそういう方法論だということです。生きるか死ぬかを分ける技術を学んでいるわけです。

このことだけは決して忘れずに学び続けたいと心に刻んだ授業でした。

ではではー

 

P.S.ちなみに、その教授が授業中に見せてくれたのがGLORYという映画のワンシーン。練習では100発100中の猟師が、教官に焦らされ、リボルバーを後ろで連発されると弾込めすらできなくなります。しかし、実際の戦場は比較にすらならない程暗く、恐ろしい場所なのですよね。

メッセージに効果的な映像を含めることでここまで説得力が増すものかと感動すらしました。

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