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誰もが職人になる必要なんてない

先日スタッフの一人から会社を去ることを告げられ、辞める前にとランチに誘われました。監査法人は人の流動性が高く、10年いる人は20-30%ぐらいでしょうか。そのスタッフは3年目で決断しました。

世間がどのように評価するのかちょっと不安ですが、僕は良い決断だと思いました。そのスタッフにぼんやりながらもやりたいことがあったからです。

2010 Taco Time-RonSombilonGallery (160)
2010 Taco Time-RonSombilonGallery (160) Photo by Ron Sombilon Gallery

一般的に社会人になると下積み期間は何も考えずに働いて、仕事を覚えるものだとされます。実際にその通りです。その組織の中で生きていくならば。

ただ、自分の中にあるべき姿があり、それが現状と乖離していることを認識しているのならば、その下積みにあまり意味は無いとも思います。

日本の寿司職人の下積み期間はとても長いことで知られています。何年も修行をして、ようやく自分の店を持てるようになります。そのお店で最高の寿司を目指すことはとても素晴らしいことです。

一方で、世界的な寿司ブームから、海外からの留学生が増えているそうです。彼らが求めているのは、寿司に関する一通りの技術の習得です。彼らにとっては、最高の寿司を握ることが目的なのではなく、自分の国で店を持つことが目的です。そのためには、より効率的に寿司の握り方を教えてくれる師匠が必要になります。

そこで伸びているのが、すしアカデミーなのだそうです。寿司を握るために必要な技術を効率的に教えてくれるだけではなく、店の持ち方まで勉強させてくれるとのことです。

海外の留学生も、すしアカデミーも、お客様に満足してもらえる一品を効率的に提供することを目指して寿司と向き合っています。そして、それは仕事としては必要十分でもあると感じます。

最高の寿司を握るということが目的ならば長い長い下積みは正当化されます。しかし、もし少しでも早くお店を持って一人でも多くの人に満足してもらうことが目的ならば、長い下積みは過剰品質のもとであるとも言えます。そして、日本の企業の多くでこのような目的と下積みのミスマッチが起こっているような気がするのです。

誰もが職人になる必要なんてないんです。目的が明確ならば、盲目的な下積みは害ですらあると思います。

そんなことを考えさせられたスタッフとのラストランチでした。
新しい職場でもがんばって欲しいです。

ではではー

 

 

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