つながるPS VitaとつながれなかったGALAPAGOS
今週奇しくも対照的な発表となった2作品。
PlayStation®Vita Photo by 130shin
メディアタブレット「GALAPAGOS」モデルチェンジおよび販売方法の変更について|お知らせ:シャープ Photo by 130shin
PS VitaとGALAPAGOSの違いは、消費者の「ジョブ」を解消することができるかどうかだと感じています。ジョブとは「イノベーションのジレンマ」のクリステンセンが提唱した、消費者が商品によって片付けようとしている用事です。
ゲームは大人のためのリッチコンテンツに
PS Vitaが解消しようとしているジョブはゲームの面倒くささです。ゲームの2極化は進行しており、スマートフォンやガラケー向けに提供されるライトゲームとリッチコンテンツとしての従来型ゲームに分かれてしまっています。しかし、リッチコンテンツとしてのゲームは時間が掛かりすぎることを理由に、以前メインターゲットだった世代が徐々に離れてしまっています。
PS3やPSPのゲームのCMでは、大人がゲームをするシーンが度々登場します。これも、従来のFC、SFC、PS、PS2とゲーム機の成長と共に成長してきた世代を離さないようにするための方策です。電車の中を見ると分かるように、PSPを持っている社会人の男性はかなり多いのです。ゲームは今や大人も楽しむものになっています(電車内で女性がPSPを持っているのは見たことがありません)。
しかし、メインターゲットである社会人には時間がありません。据え置き型のゲームを楽しむ程の余裕がないのです。これを解消することが、PS Vitaのミッションです。
PS VitaはPS3のワイヤレスコントローラーとしても使えることを謳っています。据え置き型のゲームを持ち運ぶことができる。これが時間が無い社会人にゲームを楽しむ利便性を与えるというPS Vitaのジョブです。リッチコンテンツを手軽に楽しむことができる環境を、既存のハード、ネットワーク、最先端の技術、さまざまなものをつなげることによって創り上げようとしています。
PlayStation®Vita | 持ち歩く楽しみがひろがる | プレイステーション® オフィシャルサイト Photo by 130shin
GALAPAGOSのミッションは何だったのか
一方で、GALAPAGOSが解消しようとしていたジョブは何だったのでしょうか。そして、それはGALAPAGOSでないと解消できないジョブだったのでしょうか。
電子書籍には複数のプレイヤーが参加していますが、そのほとんどが独自のコンテンツやネットワークを持っていません。SHARPは差別化されたネットワークの優位性を持っていたのでしょうか。GALAPAGOSはネットワークからも孤立した存在になってしまっていたと感じざるを得ません。
iPadはMacとiTunesと、PSPはPSのNetworkと、KindleはAmazon Storeとつながっています。どれもが単独で魅力のあるコンテンツです。それとつながることができるデバイスは、消費者のコンテンツへのアクセスというジョブを解消してくれるものです。
まとめ - つながりが強く必要とされる世の中になっている
昔から、ハードがどんなに良くともソフトが良くなければ売れないということは分かっていたことです。ですが、最近はより生態系が明確になっており、棲み分けが図られてきました。
魅力的なコンテンツアイランドに簡単につながることができるドア。消費者はそれを求めています。ドアをより開けやすくするか、アイランドをより魅力的にするか。そのどちらかを解消してくれないデバイスは進化の過程で淘汰されてしまいます。
つながりが強く必要とされる時代になってきました。
ではではー
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