財務諸表から見るApple vs Google
AppleとGoogleの財務諸表を見て、数字で確認することは大切だなぁと再度感じたのでエントリー。
Steve Jobs VS Eric Schmidt / Dakiny
AppleとGoogleの売上構成
iTunesやiCloudといったサービス面が目立つAppleですが、売上の大半はハードウェアで稼いでいることがわかります。一方で、Googleにとってはほぼ全てが広告による売上。
世界中のスマートフォンの50%以上はAndroidなのに、そこからの収益はほぼ売上に影響していません。Googleのビジネスモデルは頑なに広告収入なんですね。
両者のビジネスモデルの違いをまとめたのが以下の表です(テンプレート: 内田和成氏(2009)「異業種競争戦略」)。AppleとGoogleは売上構成を見る限りでは、現状では両社は真っ向から衝突していないようにも見えます。AppleがGoogleサイトの利用者を増やしてくれる限りは。
AppleとGoogleの成長性
C/F計算書に目を移してみると、Appleのスゴさが分かります。AppleのC/Fは2010年9月期に一度、成熟企業の様相を見せます。営業活動からのC/Fが大幅に要投資額を上回り、投資の回収サイクルに入っているのです。
ですが、2011年9月期には再度大幅な投資活動を行っており、完全に成長企業のC/F計算書に戻っているのです。
このC/F計算書の動きをPPMで表現するとこんな感じです。
PPMでは、企業の成熟化に伴い左下に引っ張られる重力が常に掛かるのですが、Appleはそれを振り切ってさらに上昇しています。意外に拡大のイメージの強いGoogleの方が漸次的な成長を続けている感じです。
AppleとGoogleの世界シェア
一番驚いたのがこの数字で、ハードウェアメーカーのAppleの方が、ソフトウェアメーカーのGoogleよりも世界中で売上を上げているということ。物流というハンデを負いつつも、この売上構成はスゴいの一言。
Googleは世界中からアクセスされている印象があるにもかかわらず、USでの売上が約半分を占めているんですね。逆に言えば、Googleの成長余地ってまだまだ相当あるのだと。恐るべし。。
まとめ - イメージに流されずFactで判断しよう!
今回はAppleとGoogleの活動を数字で追ってみました。すると、イメージで持っていたものとはまた少し異なる会社の姿が見えてきました。
- AppleはiTunesが取り上げられるけれども、やはりハードウェアメーカー。一方で、世界中で販売できている。
- GoogleはAndroidが取り上げられるけれども、売上のほとんどは広告収入。一方で、主な収益源はアメリカ。
イメージに流されずに、ちゃんと数字を追って判断することの大切さを学んだ分析でした。
この会社を分析して欲しいというようなリクエストがありましたら、コメント頂ければ!
ではではー
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