最速で利益を生み出すために - 本の紹介リーンスタートアップ
今年一番の「マネジメント」本。
日経BP社
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起業は「マネジメント」できるのか?
リーンスタートアップの要旨を一言で言えば、「PDCAサイクルによるマネジメントを徹底しましょう」ということになる。目新しいのはそれをスタートアップという「マネジメントできないと思われているもの」に適用したことだ。
これを珍しいと思うのは、僕らのスタートアップに対する特別な感情を反映のせいだと思う。スタートアップはクリエイティブで特別で、とても一般人ができるものではない、という思い込みだ。
それはきっと半分は当たっているが、半分は当たっていない。スタートアップも「仕事」なのだから。前例がなく、不確実性が高いという環境的な違いはあるのだけれども、だからといって仕事のやり方を全く変える必要はない。
構築⇒計測⇒学習…のサイクル
仕事は学習のためにやるものではない。僕らが経験を積んだことはお客様にとっては全く関係ない。お客様が満足できる価値を提供できなければ意味がない。
それでも、学習を重視するのは、それがお客様に価値を提供するための唯一の方法だからだ。そして、学習するためには、経験を積むことが必要になるし、経験を積むためには体験するしかない。
だから、まずはやってみることが必要になる。細かく経験を積み重ねることが必要だ。この考え方は、以前紹介したのスクェア・エニックスのCTO、橋本さんの考え方にも通じることがあると思う。
一番大切なことは、この1サイクルをいかに短く回すか、ということにある。
Leanstartup Photo by 130shin
大企業に求められる差別化
大企業や政府、あるいは名前の売れてしまったクリエイター、社内で評判となってしまったエース社員にとってはこの方法は脅威となる。なぜなら、彼らは初動でかなりのものを求められてしまうからだ。
名前の売れていない時には、求められるクオリティは必要最低限なものである。だから、平気で成果物をバンバン出すことができた。しかし、名前が売れてしまうと「必要最低限」なものにもクオリティも高いものが求められてしまう。だから、成果物を出せなくなる。
それでも、まず成果物を出すことが大切なのではないか。
この点、Appleはすごい。初代iPadもまず市場に出している。そして、2nd、3rdと世代を重ねて完璧を目指す。初動のクオリティもすごいのだけれども、このやり方自体が上手いと思う。
まとめ - Done better is than perfect.
失うもののない僕らは、まずはやってみることが大切なんだと思う。これは、評判という後ろ盾のない者の特権だ。そして、経験を積み学習する。その過程でいろいろなお客様に迷惑を掛けることになってしまうかもしれない。
だけれども、唯一僕らにできることはできるだけ早く期待水準を満たすものを創り上げることなのだ。
この考え方は少しでも良くしたいと思うもの、全てに使える考え方だと思う。まずは、やること。求められる初動のクオリティはその後に考えれば良い。
何かを良くしたいと考える全ての人に。
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