「感動する!数学」で本当に感動できるか

結論。できます。
その感動は人生の半分。

思い返せば、日常生活には数があふれているわけで。
いろいろな数、法則に乗り、生活しています。

たとえば、電車の時刻表。一回あたりの輸送量がだいたい同じになるように計算の上、作成されているはずです。しかも、他の電車との連立方程式で、最適な輸送ができるようになっている。

電車に乗っていると窓から見えてくる、野に咲く花の花弁。ひまわりがフィボナッチ数に基づいて大きくなっていくという話を聞くと、生物の遺伝子に組み込まれた絶対的な美を感じます。

メールを打つ。そのメールは0と1の記号に変換されて、相手のところに届く。0と1の組み合わせで文字が構成されている。

マトリックスの世界ではないですが、この現実の世界が複雑な数式に基づいて動いていることは間違いないわけです。

そう、数学は「世界の謎」を解き明かそうとしている。世界の構造に。

でも、そこには、人は存在しない。

その点、文学は人にこそ興味を持ち、心に焦点を当てます。

小説とは、このように過ごしたらこんな結末が待っているという教訓であり、「そんな人生を君は送りたいのかい」と問いかけてくるわけです。

つまり、小説は人生の実験装置。こんな時に、人はこんな風に反応して、こんな結末が生まれるだろう、と。だから、その主題は、欲と愛なわけです。

となると、片方だけ理解しようとするのは、世界の美しさと人の心の美しさのどちらかだけ理解しようとしていることと同じなわけで、非常にMottainai。

感動する数学は、その両方を理解して初めて、「自分のリアル」を理解できるのだなぁと感じさせてくれた一冊でした。

…この文章も、0と1の組み合わせなんですよねー

なんか不思議。

ではではー

<もっと知りたい方へ>

感動する!数学 (PHP文庫)
桜井 進
PHP研究所
売り上げランキング: 13262

数学者の人生って何か悲壮感を感じるのは僕だけでしょうか(笑)芸術家、なんですよね。この本は、そんな「芸術」を理解するために知っておくべき「素養」が満載。本の中には、有名な定理あり、身の回りの数字あり、面白問題ありと盛りだくさんです。数学を「おやつ」としてかじりたい、一般文系読者にぴったりの一冊です。

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)
サイモン シン
新潮社
売り上げランキング: 456

ノートの端書にあった、天才数学者の一遍の走り書き、「n≧3のとき、Xn+Yn=Znはあり得ない。私は答えを知っているが、その答えを書くには余白が狭すぎる」に、後世の人類が350年をかけて挑戦する物語。その中枢には、日本人もかかわってきています。数学は人生を捧げられる魅力があることを知ることのできる素晴らしい一冊。もちろん、ノンフィクション。

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本の紹介 - 仕事するのにオフィスはいらない

多くの人には人生感を変えるための本。
インターネットのヘビーユーザーにとっては、明日を変える本。

インターネットは力の分散をもたらしました。情報の中枢といったものはなくなり、国境を遮る壁は低くなり、個人でも情報を発信できるようになりました。

その恩恵を著者は最大限に活かしています。インターネットを活用することによって個人として自立するとともに、生活を楽しむ時間も手に入れています。

この本は、著者のインターネットの活かし方と、それが可能にする新しい働き方を示したものです。

<目次>
第1章 ノマドワーキングのすすめ
第2章 アテンションコントロール
第3章 情報コントロール
第4章 コラボレーション
第5章 クラウドを使いこなす
第6章 ノマドライフスタイルの時代へ

第1章から第4章までは、「ノマド」という働き方の説明と、そのケーススタディ。独立して「ノマド」として活躍している人たちがどのようにその力を発揮しているかを公開します。

個人ですぐに活かせる考え方は、「アテンションコントロール」。集中力が高い時には高い時に適したことを、低い時には低い時に適したことをやりましょうという考え方です。全体としてパフォーマンスが最適になるように、資源を適切に配分する。経営の基本的な考え方を個人の能力に落とし込む考え方がステキです。

ただ、ここまでなら普通の本。この本の真骨頂は第5章にあります。

第5章はi Phone、モバイルPC、メインPCを使いこなすための具体的なワザが満載。そのひとつひとつが、大海に眠る宝物のようなもので、読めば必ず一つでも多く集めたくなるハズ。全てのワザには意味があり、ひとつ取り入れるだけでインターネット作業の効率が着実に改善されていく実感が湧きます。

僕は、この本を読んだ後に、ずっと悩んでいたVaio type pの購入を決意。昨日、無事に届きました。今後、モバイルPCの使い方を磨いていこうと思います。あ、あと、証券会社の口座も開きました。株の取引を始める・・・のがメインの目的ではありません。その本意は?ぜひ、本書でご確認下さいませ。

また、本の中で全文がRSSリーダーで表示されないサイトは使いにくいというコメントがありましたので、僭越ながら、ひとつおすすめのサイトを紹介。
まるごとRSS
このサイトでは、部分配信しかされていないRSSを全文配信に変えてくれます。時折、見にくい表示となってしまうこともありますが、とにかく便利です。

個人が個人として立てる時代。逆にそれは、大きな力の崩壊を意味します。ビジネスのライフサイクルが人生よりも短くなってきたと言われる時代に、生き抜く力を。

…10年後までには?(笑)
ではではー

<もっと知りたい方へ>

仕事するのにオフィスはいらない (光文社新書)
佐々木俊尚
光文社
売り上げランキング: 237

今年一番のコストパフォーマンスを誇る本となりそうです。この内容で760円?信じられません。個人事業者としての情報の収集、他の人との共同といった、今後ビジネスを立ち上げるために必要なskillが学べます。仕事はwill + skillで成り立つもの。あとは、私たちのwill次第です。

3時間で「専門家」になる私の方法
佐々木 俊尚
PHP研究所
売り上げランキング: 82719

情報をマトリクスによって管理していこうという考え方を紹介。情報の収集を方法論に落とし込んでいる点で優れています。この本を読んでから、「専門家」になるのが早くなりました。違う業界の方と話す必要がある仕事をされている方は特に必読です。

ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)
中川淳一郎
光文社
売り上げランキング: 623

インターネットに対して高まる期待への自戒の書。決してインターネットは全ての面で優れているわけではないということを感じさせてくれます。全ての道具は使い方次第。鉄人28号だって悪者になってしまうこともあるのですから。

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本の紹介 - 任天堂 "驚き"を生む方程式

任天堂 “驚き”を生む方程式
井上 理
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 851

任天堂はどのようにWiiやDSを生み出したのか。任天堂の歴史と舞台裏が驚きと懐かしさと共に感じられる一冊。

任天堂は今でこそWiiやDSでゲーム市場のトップを取り返しましたが、ほんの3-4年前まではニンテンドー64やゲームキューブで大きな失敗を繰り返しました。かくいう僕もスーパーファミコンで任天堂を卒業してしまったゲーマーの一人。

その任天堂がどのようにゲーム市場でトップの座を復権したのか。そのきっかけは、本書の冒頭に記されている岩田社長の一言に集約されます。

「僕らがもっと素晴らしいゲームをと頑張った結果、時間やエネルギーをゲームに割けない人たちが『もういいや』と、静かに立ち去っていたのです。調べれば調べるほど、これは本当に深刻だと感じました」

危機感。既存のゲーム市場に対する危機感でこの数年の任天堂は動いてきたといっても過言ではないと思います。

ニンテンドーDSから任天堂は良い映像を、より機能の高いゲームをと突き詰めていく路線から外れ、新たな道を見出しました。新たな驚きを作るという原点の道です。それを可能にしたのはゲームウォッチ、ファミコン、ゲームボーイを開発した頃には任天堂が確実にその手にしていた任天堂イズムでした。

本書が教えてくれることは、大げさに言うならば、生き方そのものです。既存の路線を踏襲することはリスクが小さく、仕事を確実にこなしている感覚を与えてくれます。しかし、それが結果として何をもたらすのかを考えずに既存路線で走ることは、身の破滅すらをもたらしかねないということ。

環境が変わったら、自分も変わる必要がある。しかし、変わることは恐いもの。その恐怖を打ち破るためにどのように任天堂がもがき苦しんだのかを知ることは、自分の生き方を決める上でも必ず役に立つはずです。

他人に幸せを与えるために生きる、全ての人に。

P.S.任天堂のキーマン、岩田社長が自身の考え方をほぼ日刊イトイ新聞で語っていました。これは、すごい会談です。

P.S.2 本書に載っている、「社長が訊く」。リンクでまとまっているものではなく、関連商品のコンテンツの一部として掲載されているものでした。
Wii
Wii Fit
任天堂で働くということ
Wiiソフト関連⇒任天堂のソフトをクリックすると「社長が訊く」があります。
DSソフト関連⇒同上です。

P.S.3 ここまで本書が素晴らしい一冊となったのは、任天堂というコンテンツの一冊に加え、著者が第三者の視線から冷静に、理知的に事実を積み重ねることによって作り上げていることによると思います。ノンフィクションの書き方としても学ぶことが多い一冊です。

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本の紹介 - 哲学、脳を揺さぶる

哲学、脳を揺さぶる オートポイエーシスの練習問題
河本 英夫 河本 英夫
日経BP社
売り上げランキング: 68025

揺さぶる?そんなものでは済みませんぞ。

本書は学習や知識の獲得を超えて、能力の形成を目標としています。読了感は「知る」に留まらず「体験する」感覚。普通の本を博物館とすると本書は科学館。本書の中で見て、知って、遊べるようにできています。

例えば、言葉遣い。「光の裏側」、「重力の内側」…本書はそんな言葉であふれています。いつも知っている単語のつなぎ方を少し変えるだけでここまで違和感のある言葉に仕上げることができるなんて。

例えば、題材。浦島太郎の玉手箱は何を意味するのかに始まり、イチローと松井から世界と私たちの関係を見出し、カオスからシステムとは何かを考える。昔話も、TVの中の毎日も、最先端の数学も著者にかかれば哲学に。

僕は、非常に良い切り口だなぁと思いました。そう思いません?

誘導で恐縮。もし思ったならばそれは間違い。

著者の言葉を借りると、「なにかを成し遂げていくためには視点を切り替える程度では本来なにも変わらない」のです。切り口を、視点を変えることができるのは既に別の視点を持っている場合だけだから。本当の転換、ブレイクスルーは体験の中からのみ生まれてくるもの。

本書は、新しい体験を通じて一度出来あがってしまった発達をリセット、新たな能力を形成する過程を体験させてくれます。確かに、本書を読んだ後では世界の見方が変わります。空を見上げると意識は空を突き抜け、宇宙の果てまで。膨張を続ける宇宙の縁にだって着いてしまう。この感覚は必ず仕事にも活きるはず。詰まった感覚からは詰まったアイディアしか浮かばない。

僕は気がつくといつの間にか同じような本を読み、同じような知識のみを追い求めてしまうようになっていました。それは効率的な理解を助けるものの、見ることのできる世界を狭めてしまう。いつも驚きっぱなしでは疲れてしまうけれども、たまには驚かなくちゃ。

息詰まりの感覚を破るきっかけをくれた本書。今では、またいろいろな種類の本を楽しむことができるようになっています。

ようこそ、新しい世界へ。

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本の紹介 - 20代、お金と仕事について今こそ真剣に考えないとヤバイですよ!

タイトル長っ。

本書は公認会計士の夫婦が、日常生活の中で見落とされているお金の話をキレイにまとめた本です。対象は考えることから逃げている僕のようなワコウド。

ブックカバーの一言目からグサっときます。
「毎日午前まで働いても、お金がたまらない理由を一緒に考えてみましょう」

最初は何ごともヘタなのは当たり前です。お金の使い方もそう。上手くなるために必要なことは、ヘタであることの認識と何がヘタであるのかの把握。では、お金に関してヘタとは何がヘタなのか。お金に関する本はいろいろ出ているものの、結局次の式しかありません。

収入 - 支出 = 増えるお金

つまり、お金を増やすには①収入を増やすか、②支出を抑えるかしかないのです。ということはお金に関してヘタとは、①収入について何も考えていないか、②支出について何も考えていないかということになります。

これは、会社に限らず、全ての人に共通。他には、そう、ダイエットと一緒。①食べる物を減らすか、②運動して燃やすかしないから太ってしまうのです。

さらに、著者はこの式にひとひねりを入れて次のように定義します。

収入 - 必要生活費 = 豊かさ

これは、人の経済活動の歴史そのもの。農業からスタートした人の経済活動は、産業革命による生産性向上を経て今では随分と豊かさを創造することができるまで改善されています。

そのほか、本書では、ヴィトンのバッグとWiiではどちらが贅沢か、海外ドラマを見るためにはどうするべきか、さては、マンション購入の考え方から、会計的な結婚相手の考え方(!?)まで、日常的ですが考えていなかった切り口でお金の一面を切り取っています。

ただ、やっぱり一番大切なことは最後のページ、「とにかく、まずはやってみる」ということかと。僕はとりあえず、一日千円札しか入っていないサイフを用意して、一日にどれぐらい使っているか把握してみます。

どこで聞いたかこの言葉、「お金は頭で稼いで心で使う」。
自分の思い通りの生活をするために、本書の内容を知らないとヤバイですよ!(笑)

ではではー

<もっと知りたい方のために>

20代、お金と仕事について今こそ真剣に考えないとヤバイですよ! Book 20代、お金と仕事について今こそ真剣に考えないとヤバイですよ!

著者:野瀬 大樹,野瀬 裕子
販売元:クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆×4
実は、職場の先輩の同期の方が書かれたということで購入した本書でしたが一気に読んでしまいました。お金についての切り口が面白く、毎日の「ああコレやっちゃってるなー」を思い浮かべながら楽しむことができます。これまで著者に刺されっぱなしだったので、最後にひとつ勝ったこと。僕は引っ越しの時に泣く泣くバイクを手放しました。(詳しくは2章コラムを)

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本の紹介 - 読書について

150年前に放たれた多読へのアンチテーゼ。

月に本を5-10冊は読みます。
時間が空いたらスキルアップのために本を読んでいます。
本を読まない人間はサルです。

…と思っている勤勉な方は必読。

「数量がいかに豊かでも、整理がついていなければ蔵書の効果はおぼつかなく、数量は乏しくても整理の完璧な蔵書であればすぐれた効果をおさめるが、知識のばあいも事情はまったく同様である。」

この一文から始まるこの本は、見事に僕の陳腐な自尊心を粉砕してくれました。

Objective
本を読む姿勢を考える!

Conclusion
自分の頭で一瞬でも考えない限り意味はない!

Background
「思索」「著作と文体」「読書について」の3篇からなるこの本は、本の虫への容赦のない殺虫剤です。全ての行があまりに強力で、読み終わると息も絶え絶え。

近年品種改良によって生み出された多読家という本の虫はとても真面目な生き物です。月に結構なお金を使います。新しい情報は適時にキャッチアップできるぐらい、食べるのが早くなっています。時間さえあれば口に何かを含んでいないと落ち着きません。

それもこれも過酷な生存競争に打ち勝つため。強くないと生き残れないので食べるのです。

しかし、それが体を蝕んでいることに虫は気づいていません。お金をかけ、時間をかけているにも拘わらず、そんなに強くなっていない。いや、むしろ弱まっているときすらも。

なぜか。

食べすぎだからです。
食べることに時間をかけすぎて、運動の時間がとれていないからです。

スポーツの世界に照らしてみると当たり前のことです。体をつくるために、最高の栄養価の食品のみを口にする。美味しくないご飯も鼻をつまんで食べ続ける。がんばりは認めますが、それのみによってできあがる体は見るも無残なぷよぷよ形。

食べたら、動く。体を鍛えるために当り前のことが、こと頭になると実践されなくなってしまいます。読書という行為は食べる作業。動く作業とはまた別です。

par.2
「読書は、他人にものを考えてもらうことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的にたどるにすぎない。」

読書それ自体は悪いことではないのです。守・破・離で言えば読むことが守、考えることが破、実践が離です。守を飛ばして破には行けません。破るものがないからです。ただ、守にとどまるのみでは得られるものは少ないのも事実。3stepを踏んで初めて成長があるのですから。

食べたら動け。そんな当たり前のことを強く教えてくれる一冊でした。
月に5冊は軽い、全ての本の虫への課題図書です。

ではではー

P.S.
どうやら本書には深い背景があるようなのですが、そちらは弾言で。

<もっと知りたい方に>

読書について 他二篇 (岩波文庫) Book 読書について 他二篇 (岩波文庫)

著者:ショウペンハウエル
販売元:岩波書店
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆×5
読まないとサルですが、読むだけでは虫。厳しい世の中です。資格と違って目に見える形で残らない読書は、自分の血肉としない限りお金と時間を捨てていることと同じです。読書を一定のリターンを得るための投資と少しでも考えているならば、避けて通れない一冊です。

本は10冊同時に読め!―本を読まない人はサルである!生き方に差がつく「超並列」読書術 (知的生きかた文庫) Book 本は10冊同時に読め!―本を読まない人はサルである!生き方に差がつく「超並列」読書術 (知的生きかた文庫)

著者:成毛 眞
販売元:三笠書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆×4
題名が全てです(笑)。しかし、著者がマイクロソフトの日本代表取締役に就任したのは36歳。36歳の時にマイクロソフトの社長職を担当できますか。まずは、読むことが大切なのは間違いないと思います。

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本の紹介 - 知的複眼思考法

朝の通勤で、新聞を広げる。満員電車なのでなるべく小さく折りたたみながらなんとか読む。時間が無いので見出しをチェック。今日の出来事の一覧を把握して会社に向かう。

その日のトピックを短時間に吸収。必要な記事があった時だけちょっと目を通せばいいじゃない。だって、新聞ってそういうものでしょ?

そんな、毎日でした。

しかし!…そんな読み方で終わっていたらもったいない!と思わせてくれる本に出会いました。ぜひご一読をお勧めしたく、紹介です。

Objective
複眼思考で文章を読む!

Conclusion
モノゴトには多面的な解釈があるのです!

Background
この本は「本と会話をできるようなるための本」です。よく、筆者と対話をしながら本を読みなさいと言われていますが、そのレッスン本です。

筆者と対話をするために必ず必要なことは、自分で考えて読むこと。そのために進むべきステップは、①唯一の正解を求めることをやめる、②前提を疑う、③問いを立てる、④物事の多面性に注目するというものです。

①正解はない
私たちは本に書いてあることを「正解」として受け止めるクセがついています。確かに本は信憑性が高い情報源です。しかし、そもそも正解とは何なのでしょうか。

物事には必ず表と裏があります。ある方面から見れば正解なとこも、別の方面から見れば不正解になります。そのため、ここで言う正解とは相対的な真実です。よって、本に書いてあることが絶対的に正しいということはありえません。まず、この認識を持つことによって複眼への第一歩が踏み出せます。

②前提を疑う
文章が拠り所にしている前提を疑ってみましょうということです。例えば「不況のため、企業の売上が落ちています」という文章。

最近は不況と言われます。確かにその通りのような気がします。しかし、不況の定義とは何なのでしょうか。日経平均が7,000円だから?失業率が2008年12月に4.4%に達しているから?GDP成長率が年率で-12%と見込まれるから?お給料が下がったから?

明確な定義がないまま、何とはなしに今は不況と言われ、何とはなしに納得している。しかし、この文章では「不況だから」は「企業の売上が落ちている」の唯一の根拠。これだけでは正しいのかどうか分りません。

私たちは常識に囚われてしまい曖昧な根拠でもそのまま文章を読み飛ばしがちです。

③問いを立てる
まず、「なぜ」と唱えてみます。魔法の言葉、「なぜ」はどんどん問題を深く掘り下げていってくれます。因果関係を明らかにする言葉です。

次に、問題を抽象化します。概念のレベルを一つ上げるという操作をすることによって、もっと広い視野で辺りを見ることができるようになります。

例として本書で挙げられているのが、いじめについて。A君は少しできるヤツだから嫌われていた。B君は運動音痴のためいじめの対象になった。A君とB君に共通するのは、平均からの乖離。具体例を少し抽象化して共通の概念を抽出しています。

さらに抽象化すると、「均質化の生じやすい場所では、異質なものは除外の対象となりやすい」ということが言えます。これは、いじめ以外の問題にも使えそうです。

この概念のレベルを操作するという考えは新鮮で、新しいアイディアを生み出す源泉となるように思えます。ある分野の事象を他の分野の事象に応用することによって、新しい知識が作り出される例が多いからです。

④物事の多面性に注目する
まず、物事をその構成要素に分解します。次に、構成要素の間でどのような関係があるかを考えます。最後に、文脈の中でどの関係がクローズアップされているかを考えることによって、多面的な見方をすることができるようになります。

たとえば、「終電を10分遅らせたところ、電車の運営会社に損失が生じた。新サービスは失敗であった」という文章。これは、新たなサービス、サービスを利用する人、運営会社という構成要素のうち、新たなサービスと運営会社のコストの関係に着目した文章です。確かに、利益は減少しているためこの文章は経営という観点からは正しいことになります。

しかし、利用する人が便利だと考えていたらどうなるか。新たなサービスと利用する人との関係をクローズアップすれば、乗客の満足度は高まっておりこのサービスは成功であるとなるのではないでしょうか。

***

本書の読み方を実践することは間違いなく難しいです。また、時間もかかる読み方で昨今の主流である速読にも反します。

しかし、速読一辺倒になるとどうしても詰めが荒くなると思うのです。時には時間をかけて文章を書いた人の意図を考えながら読み進めれば、モノゴトの新たな一面を見ることができるようになるはずです。

む…本書を批判的に読むと、批判的な読書の効用を疑うことになるのですが、今現在やっていることは批判的読書ですから。。。?

ではではー(笑)

<もっと知りたい方へ>

知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫) Book 知的複眼思考法―誰でも持っている創造力のスイッチ (講談社プラスアルファ文庫)

著者:苅谷 剛彦
販売元:講談社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆×5
面白いです。毎日起こっていることをこのように多面的に捉えることができれば、今までとは薄皮一枚隔てた世界を生きることができるような気がします。ぜひ。

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本の紹介 - 奇跡のリンゴ

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録 Book 奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録

著者:NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」制作班,石川 拓治
販売元:幻冬舎
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆×5

今年の最後になって、今年一番の本を読めました。仕事術でも、思考術でもなく、現実が一番の力を持っていました。

農業とは、愛。
道とは、狂。

本書は無農薬でのリンゴ作りに狂った一人の男の物語です。
物語中に咲き狂っているのは、リンゴへの愛と、挫折。

現に2/3が無農薬のリンゴ作りの失敗談で占められています。

後に続くのは、壊れた人間の再生の物語。
ギリギリまで追い込まれた人間が少しずつ息を吹き返していく。そして、それと共にリンゴの木も生き返っていく。

木村さんが生き返る時に見つけた真理が重いです。

今までの本では農家の方の工夫を感じることはできました。その苦労を感じることもできました。でも、泣くことまでできる本があったでしょうか。

何かを愛し、何かに狂わなければ偉業を達成することはできません。そして、その過程は想像を絶する苦難の道が待っています。誰も通ることができないぐらい困難な道だったから未だ達成されていないのです。そんなあたりまえのことを思い出させてくれる本です。

道に迷ったとき、挫折したとき、全部上手くいかないとき。そんなときに何度も読み返したくなる本です。

本書は、要点要約する類の本ではないです。得られるものも人それぞれだと思います。
ぜひご一読を。人生感が変わります。

良いお年を。
ではでは。

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本の紹介 - 「見える化」仕事術

「見える化」仕事術 Book 「見える化」仕事術

著者:石川 和幸
販売元:ディスカヴァー・トゥエンティワン
Amazon.co.jpで詳細を確認する

☆×4

あなたが今やっている仕事って何ですか?

ビジネスパーソンのほとんどが、日々仕事に追われ、時間が無く、仕事の質の管理に悩んでいるはずです。今やっている仕事を片付けてもすぐ次の仕事がやってきて、それを片付けてもまたすぐに。仕事という名の回転螺旋階段。そしていつかは足が回りきらなくなり、大失敗をしてしまう。奈落に落ちていく瞬間です。

なぜか。

その理由が、冒頭の問いにすぐに答えられないからです。どのような仕事をどのようにやっていますか?

本書はこの、どのような仕事をどのように行っているかを「見える化」する方法を詳説。もともとは、製造過程の品質管理である方法を一般個人のビジネスパーソン向けに改良し、仕事の質と効率性をカイゼンしようというのが目的です。

仕事を「明示化」・「可視化」することによって、質と効率性を高めたい全てのビジネスパーソンに!

Objective
「見える化」仕事術とは何かを知る!

Conclusion
仕事のシステム化による管理!

Background
私たちは、モノが在ることによって認知することができます。そして、在るということは見えるということ。逆に言えば、見えないうちはモノは無いことと一緒です。仕事も同じ。見えていない仕事というのは、無いことと同じです。そして、無いモノを管理することも、改善することもできない。

でも、仕事とは作業です。作業は通常目に見える形としては残りません。残るのは、成果物のみ。そのため、仕事を見えるようにして私たちが認識しないとその管理・改善はできないのです。

では、仕事を見えるようにするためには、どうすればよいか。

本書で述べられていることを大別すると以下の2つになると思います。
①標準化
②分類・整理

①標準化
これは、今行っている仕事を形式化・文書化するというものです。その方法は、仕事の内容を時系列で書き出すフローチャートであったり、仕事の内容一覧であるチェックシートであったり。

その中で、最も簡単かつ効果的な方法が「箇条書き」。

誰しもが、その日一日の仕事の内容を書き出してどのように進めようか考えたことがあると思います。それです。それこそが仕事の見える化。

その箇条書きを仕事の流れに沿って図解すればフローチャートに、やるべき仕事一覧として保存すればチェックシートに、ミーティングのお題として書き記せばアジェンダになります。それらの、文書化・形式化された仕事こそが「見える仕事」です。

そして、文書として仕事内容が残っているのですから、その改善は文書に基づいて考えることができます。このような状態になって初めて仕事は誰しもが改善可能になるのです。暗黙知の形式知化とも言えるのではないでしょうか。

②分類・整理
分類・整理とは、事実を関連性、因果性を理解しつつ把握することです。その方法として本書では、関連性を知る方法としてロジックツリーやフロー図、ネットワーク図が、思考プロセスを図式化する方法としてブレーンストーミングやKJ法、マインドマップが紹介されています。

本書の特徴は、主要な方法が網羅的に解説されており、かつ、それぞれの注意点や長所がコンパクトにまとめられている点です。本書によって、各種の方法の内容、適用すべき場面やチェックポイントを知り、深く知りたい方法についてさらに他の専門書に進む。それがベストな本書の使い方ではないかと思います。いわば、道標です。

最後に、本書では最終章で、①・②を踏まえプロジェクトを管理する方法を詳説しています。全ての仕事はプロジェクトであり、その管理は見える化なしにはできません。

プロジェクトの管理方法も基本は、①・②です。仕事を細分化してそれぞれを見える化し、各仕事を適切に管理するというものです。

***

この本の難しいところは、読んだだけではほぼ全く意味が無いという点です。実際にチェックリストを作ったりロジックツリーを作ることや、仕事をする際に見える化できるように意識することといった、実践の積み重ねが必要となります。

それが一番難しいのですけどね。

本書を読んで、一年間手帳に書き出した時間の使い方を見直してみました。レビューができる状態を作っておくことは、カイゼンの第一歩!

・・・改善すべきところ、多すぎですが。。。とりあえずTOC理論に基づいてがんばります。

ではでは。

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