容疑者Xの献身
とタイトルを銘打ってみたものの、内容感想ではないのであしからず。
僕は、金融と統計学を理解したく数学に必要性を感じていました。
しかし、なかなか数学そのものに興味を持っていたわけではありません。
そんな折に読んだのがタイトルの本。
内容も素晴らしいのですが、なんといっても構成が最高です。
とにかく論理的に話が進むのです。
そこで思った疑問。なぜ、ここまでロジカルなのか?
東野圭吾さんの経歴をみると、工学部出身とのこと。
ということは、理系の人の話はロジカルなのかという興味が沸きました。
(当然、東野さんがずば抜けていて、サンプルエラーという気もしなくもないですが。。)
そこで今回は文系が憧れる理系の考え方についてまとめます。
Objective
数学の考え方のエッセンスを知る!
Conclusion
論理のための学問!
Background
数学の醍醐味は、解を一つに確定するということだと思います。ここで、数字というものは、曖昧性を排除した、世界共通の認識記号であると言えます。そのため、その数字を研究する数学は唯一解を追求する学問と考えることができます。
上記を受け、数学的な考え方を「物事を曖昧性を排除し、論理的に説明することのできる考え方」であるとします。よって、その習得に必要なのは、①数字で物事を捉えることに慣れる、②物事の説明を論理的に行うことに慣れるということかと思います。
①定量的な事象認識
物事を数字で捉えることは、曖昧性の排除に役立ちます。例えば、「背がすごく高い」や「新宿駅には人が多い」といった形容詞を使った表現は曖昧ですが、「20cm平均身長より背が高い」、「新宿では一日53万人が降乗車する」と表現すると、正確に物事を伝達することができます。
そのため、普段からなるべく数字を使って定量的に物事を考えることに慣れることが数学的に考えることの第一歩かと思います。例えば、今書籍等で流行っているフェルミ分析も同様の考え方と言えます。フェルミ分析とは、自身で仮定とフレームワークを設定して物事を推算する考え方です。例としては、日本にある電柱の数は何本かを考えるというもの。僕も電車で、この電車には何人の人が乗っているかや駅の広告の宣伝効果を考えて歩いていたりします。
数字を意識して考えていると、文章中に「大半」等の曖昧な表現が記載されていると、「何%やねん!」とツッコミを入れたくなるようになりました。また、仕事の進み具合を聞かれた時も「7割です」等と数字を使って報告するようになっています。
意識することによって、数字はもっと身近になると思います。
②論理的な思考法
数学の醍醐味は証明です。綺麗な論理で物事を説明する。それが数学者の望みです。
論理的に物事を説明する方法は大きく分けて2つ。帰納法と演繹法です。帰納法はある事象群から普遍的な要素を発見することで、演繹法はA→B、B→CゆえにA→Cという段階を踏んだ説明方法です。但し、純粋数学では帰納法はご法度。演繹法で全てをロジカルに構築していきます。演繹法の方が論証を段階を踏んで立証していくため、論理性が強いものと言えます。
演繹的、帰納的に物事を考える際にはMECEが基本になるのだと思います。物事を分解して、その要素毎に証明を重ね、最終的な結論に結び付けるのです。
例えば、会計士の監査は帰納法です。簡単に記載すると、①「財務諸表に重要な虚偽の表示がない」という命題の証明のために、②財務諸表を各勘定科目毎(現金や固定資産など)に細かく分けて、(現金は10万円あったので正しい、固定資産は1000万円あったので正しい・・・という)立証を繰り返し、③最終的に、各要素に大きな間違いが含まれていなかったので財務諸表は大きく間違っていませんとでした、というように帰納的に命題を証明する仕事です。
帰納法で気を付けるべきことは、要素と命題の関連性です。本当にその要素から命題が立証できるのかという点に留意する必要があります。
一方、演繹法で気を付けるべくは、論理性が論点毎に異なることです。例えば「風が吹くと桶屋が潰れる」という話は有名で、一番最初の「風が吹いて砂が目に入り失明者が出る」という仮定から論理性に弱いため、全体の論理も弱いものとなってしまうということです。よって、完全な証明のためには、命題を構成する論拠が全て完全に立証される必要があります。
演繹的に物事を考え、帰納的に立証する。その繰り返しによって論理性は鍛えられるものと言えます。
容疑者Xから発展して、いろいろと数学に関する本を読みました。その結果、その考え方の概念を知るだけでも随分と論理的に物事を考えるきっかけが得られたと思います。
ぜひ、試してみて下さい。
継続のための努力は別売りですが。。。
ではでは。
参考文献
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容疑者Xの献身 (文春文庫 ひ 13-7) 著者:東野 圭吾 |
☆×5
最近読んだ小説の中で、段違いの感動でした。とにかく話が論理的に進んでいきます。ガリレオシリーズは全て数学に関連があります。その他は短編なのですが、特に好きなのは「予知夢」です。ロジカルここに極まるという感じでした。なお、長編が10月23日に2冊でます。
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フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで 著者:サイモン シン |
☆×4
数学上残された最大の難問「フェルマーの最終定理」に挑む数学者の話です。現実の話で、数学の進歩を知ることができます。数式はほとんどなく、数学に興味を持つこと間違いなしの一冊です。
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数の悪魔―算数・数学が楽しくなる12夜 著者:ロートラウト・ズザンネ ベルナー,ハンス・マグヌス エンツェンスベルガー |
☆×3
数学に関する話題を12話納めた読み物。高校生の時に読んでいたら数学がもっと好きになれていたような気がします。高校の先生にはこのような本をお勧めして欲しいものです。
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暗算の達人 著者:アーサー・ベンジャミン,マイケル・シェルマー |
☆×3
暗算の方法だけでなく、計算の仕方、数字の覚え方等、数に係ることが多数記載してある本です。努力はやはり別パックですが、最初から学校でこのような計算方法教えて下さいよーという内容。計算が速くなると思います。
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