戦略思考を身につけたい!

今後も儲かる業界はどこなのか?

それが分かりゃ苦労はしないよ、とも思いつつも。。

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2013-02-01_01h11_04 Photo by 130shin

 

ポーターのFive Forces


ポーターのFive Forcesは、正確には業界への圧力を表したものです。どのような状況になると業界が儲からなくなるのか。それを経済学的な視点を取り入れて説明した理論がFive Forcesです。

ポイントは企業単位の分析ではなくて、業界の分析であることです。それを企業に応用して当てはめるのは自由ですが、本来は業界分析。そして、この分析から導かれる結論は結構残酷です。つまり、企業の収益力は業界によってほぼ決まってしまうということ。

どんなに優れたオペレーションを持っている企業でも、構造的に儲からない業界にいたら儲からないのです。業界によって上限の収益力が決まるという、冷酷な理論。それがFive Forcesです。

 

Billionaires all over the world


と、業界は大切だよと分かったところで、ではどの業界が儲かりそうなのかというお話。ここで、Bloomberg Billionairesという世界の億万長者トップ100を毎日更新するサイトを見てみましょう。

Bloomberg Billionairesはどの人がどれだけの資産を持っているのかを独自に算出、毎日更新しているサイトです。個人名と資産額のみではなく、その人が属する業界、その人が相続で財を成したのかそれとも自力で財を成したのか、果ては子どもの数などもまとめています。

このうち、業界に着目すれば、どの業界が今儲かっていて、今後も儲かると思われているのかをある程度知ることが出来ます。億万長者の資産のほとんどが株のため、市場原理で資産額が決まっているからです。市場は今後も儲かると思う資産に高い価値を付けます。

 

億万長者の業界をランキングしてみた


ということで、Billionairesトップ100の業界をランキングしてみたのが以下の表。

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2013-02-0100h2654 Photo by 130shin

 

複合は様々な財やサービスを提供している企業なので、具体的な業界名が出ているところを見てみると、次点は小売。その次はハイテクで金属資源と続いていますね。

これらの業界では多くの億万長者が出ているので稼げる可能性があるということではないでしょうか。一方で、通信、医薬からはトップ100に入る億万長者が出ていないのが面白いですね。規制産業だからなのかもしれません。

但し、小売は母集団としての数が多いため、本当に一握りの企業しか勝ち組がいないと見ることもできます。現に小売の中にはウォルマート関係者が4人含まれています。この図の解釈は面白いところです。

 

まとめ - 業界選びはかなり重要!


就活にせよ、転活にせよ、企業選びは大切だけれども、業界選びはもっと重要ということですね。当然仕事は自分がやりたい仕事をやるのが一番。ですが、収益性が高い業界、低い業界があるのも事実。

客観的な事実を踏まえて、あえて挑むのか、流れに乗るのか。一度考えて覚悟を決めるべきではないでしょうか。

しかし、製造業からは億万長者多くないですね。。日本のお家芸。業界環境から考えていかないとかもしれません。

ちなみに、日本人ではファーストリテイリングの柳井さんがランクインしてました。アパレルでなくて小売分類でしたが(笑)

ではではー

 

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これは究極の会社かもしれない - スタートトゥデイ(@ZOZOTOWN)

先日、株式会社スタートトゥデイの前澤社長のお話を伺う機会がありました。最初は本当なの-?という感じでしたが、段々とても一本筋が通っている説明に思えてきたので、その理由をしっかり考えてみようと思いエントリー。

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2012-07-0520h0211 Photo by 130shin

 

経営はキャンプのように


前澤社長が繰り返し語るのが、社員の待遇は一律同じ、優劣を付けないと言うこと。これは、経営をキャンプのように考えるという社長の考え方によるもの。

キャンプに行けば、魚を釣る係、火をおこす係、テントを張る係とさまざまな役割が必要になりますと。みんなが協力してキャンプを楽しむことが目的なんだから、魚釣るのが上手い人ばっかりをちやほやしませんよ、という考え方。

分かってはいるものの、そういう評価できませんよね。優秀な釣り師が逃げちゃいますから。でも、そうではなくて、みんなで楽しめるようにしようよという風に考えるのが前澤社長。

 

本気で世界平和のために働く


次に驚いたのが、働く理由が本当に世界平和のためであると繰り返されること。「ホントかなー」と思ってついつい質問してしまったのだけれども、本当の本当に信じている感じがヒシヒシと伝わって来ました。

中でも、「最近、働くことの意義を考えてみたことありますか」という返しがとても印象的でした。

そんな前澤社長の価値観に共感した人たちが集まっているので、社員はとても仲が良いそう。この社員の一致団結力と方向性が同じということが経営上もすごく有利に働いているのだと思います。

 

全てがファッションに結びつく


そんなみんなが仲良く、ワイワイと、という社風がファッションに非常にマッチしているのだと思います。社員のみんなが仲良し、服好き。だから、お客さまの心にリーチするような雰囲気をだせるのでしょう。

スペックよりも感性、言葉よりも感覚が重視されるファッションという領域では、この「雰囲気」を出すことが想像以上に大切で、かつ、難しいのではないでしょうか。

そして、この雰囲気を出すために会社の全ての仕組みが良い方向に作用している。他の会社がこの戦略を一部マネすることはできても、全てをマネすることは非常に難しい。だからこそスタートトゥデイの売上の増加に他社は誰もついていけないのだと感じます。

 

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2012-07-0519h5925 Photo by 130shin

 

まとめ - RBVからの究極の会社


戦略とは何かを捨てることと言われますが、スタートトゥデイは様々なものを捨て切っています。業績を追い求める姿勢、一握りのスーパースター、競合との競争…etc

しかし、今持っている資源の一つ一つがファッションという業種に非常にマッチしていて、結果として他の誰にもマネのできないことを成し遂げている、という印象です。

これは、社内の資源を活用して優位性を築くという経営資源論の説明にとても合致します。それぞれの資源が生む活動が全体として差別化の要因を生んでいるため、一つ一つの要素をマネしただけでは追いつけない、または、マネした企業の他の活動と矛盾を生んでしまうという状況が生まれています。

これからも、この雰囲気を大切に伸びていって欲しいなと感じた会社でした。

しかし、社員さんは6時間勤務なんですって。。うらやましいですね。。。

ではではー

 

 

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財務諸表から見るApple vs Google

AppleとGoogleの財務諸表を見て、数字で確認することは大切だなぁと再度感じたのでエントリー。


Steve Jobs VS Eric Schmidt / Dakiny

 

AppleとGoogleの売上構成


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GvA1 Photo by 130shin

 

iTunesやiCloudといったサービス面が目立つAppleですが、売上の大半はハードウェアで稼いでいることがわかります。一方で、Googleにとってはほぼ全てが広告による売上。

世界中のスマートフォンの50%以上はAndroidなのに、そこからの収益はほぼ売上に影響していません。Googleのビジネスモデルは頑なに広告収入なんですね。

両者のビジネスモデルの違いをまとめたのが以下の表です(テンプレート: 内田和成氏(2009)「異業種競争戦略」)。AppleとGoogleは売上構成を見る限りでは、現状では両社は真っ向から衝突していないようにも見えます。AppleがGoogleサイトの利用者を増やしてくれる限りは。

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GvA2 Photo by 130shin

 

AppleとGoogleの成長性


C/F計算書に目を移してみると、Appleのスゴさが分かります。AppleのC/Fは2010年9月期に一度、成熟企業の様相を見せます。営業活動からのC/Fが大幅に要投資額を上回り、投資の回収サイクルに入っているのです。

ですが、2011年9月期には再度大幅な投資活動を行っており、完全に成長企業のC/F計算書に戻っているのです。

GvA3
GvA3 Photo by 130shin

 

このC/F計算書の動きをPPMで表現するとこんな感じです。

GvA4
GvA4 Photo by 130shin

PPMでは、企業の成熟化に伴い左下に引っ張られる重力が常に掛かるのですが、Appleはそれを振り切ってさらに上昇しています。意外に拡大のイメージの強いGoogleの方が漸次的な成長を続けている感じです。

 

AppleとGoogleの世界シェア


一番驚いたのがこの数字で、ハードウェアメーカーのAppleの方が、ソフトウェアメーカーのGoogleよりも世界中で売上を上げているということ。物流というハンデを負いつつも、この売上構成はスゴいの一言。

GvA5
GvA5 Photo by 130shin

Googleは世界中からアクセスされている印象があるにもかかわらず、USでの売上が約半分を占めているんですね。逆に言えば、Googleの成長余地ってまだまだ相当あるのだと。恐るべし。。

 

まとめ - イメージに流されずFactで判断しよう!


今回はAppleとGoogleの活動を数字で追ってみました。すると、イメージで持っていたものとはまた少し異なる会社の姿が見えてきました。

  • AppleはiTunesが取り上げられるけれども、やはりハードウェアメーカー。一方で、世界中で販売できている。
  • GoogleはAndroidが取り上げられるけれども、売上のほとんどは広告収入。一方で、主な収益源はアメリカ。

イメージに流されずに、ちゃんと数字を追って判断することの大切さを学んだ分析でした。

この会社を分析して欲しいというようなリクエストがありましたら、コメント頂ければ!

ではではー

 

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強敵に真っ正面からぶつからないための十文字

ブログでマーケティング修行を!でも書いたように、ブログはマーケティングを体験できる場所だなぁと思います。

Marketing as Consumer Engagement
Marketing as Consumer Engagement / stefanomaggi

ブログの成果はシンプルに考えればアクセス数です。読者に求められているものをアウトプットできていれば、読んでくれる方は増えるはずです。でも単純に良いものをアウトプットすれば良いかというと、そういうわけではないのが難しいところ(今回書きたいこととズレるので深入りしませんが、プロダクトアウトの考え方とマーケットインという考え方になります)。

商品を売るためには、相手にするお客さまを決める必要があります。そのための方法がセグメンテーションです。

セグメンテーションとは、お客さまを何らかの基準で分けて考える方法です。ただし、単純に分けるだけでは意味がないので、ある商品に対して同じように感じてくれるグループに分けることが必要になります。ブログであれば、ブログの特徴に対して面白いと思ってくれる読者層を考えることがセグメンテーションとなります。

セグメンテーションの方法には代表的な4つの切り口があります。

1. 地理的軸
2. 人口統計的軸
3. 心理的軸
4. 行動的軸

ただ、みんなが同じような切り口を使えば、同じような結論に到達して、同じようなもので世の中があふれてしまうことになります。そこで、心に響くものをつくるためにお客さまへのベネフィットで軸を考えることが必要になります。つまり、お客さまに何を提供するのかという切り口です。

たとえば、「何度も読みたくなるようなブログとは何か?」と考えた時に、エントリーの性質と更新頻度という切り口が考えられます。

ブログのセグメンテーション
ブログのセグメンテーション Photo by 130shin

 

各点のブログはどれも「尖っていて」良いブログです。明確な特徴があるということです。この中で、どのブログのアクセスが一番多いかは、区切られたワクの中にどれだけ潜在的な読者がいるかという問題になります。それが市場規模の話です。

通常、市場規模の大きい市場は魅力的なので、プレイヤーはそこに集まるようになります。

ブログのセグメンテーション2
ブログのセグメンテーション2 Photo by 130shin

 

するとオレンジのようなブログはどうしても競り負けてしまい、読者を獲得できない可能性が高いと言えます。

そこでどうするかと言うと、戦い方を変えます。更新頻度が高いことはそんなに価値があることなのだろうか?エンタメとお役立ちという2つのみを読者はブログに求めているのだろうか?他の重要な要素はないのだろうか?と考えます。

例えば、実は更新頻度がそこまで重要な要素ではないことが分かり、ブログの文体で読者が惹かれることが分かりました。また、ブログの意見の面白さが重要な要素であり、エンタメ系かお役立ち系かで読者はブログを選んでいるわけではないことも分かりました。すると勢力図はガラリと変わります。

ブログのセグメンテーション3
ブログのセグメンテーション3 Photo by 130shin

 

ブログの扱うトピックというのはあまり重要ではなくて、実は読者は意見と文体でしかブログを選んでいなかった、という発見がもたらしたセグメンテーションの組み替えです(あまり現実的ではないですが)。こうなるとオレンジのブログにもチャンスがあるということになります。

 

まとめ - 強敵がいるときにこそお客さまを見よう


この考えはどんなことにも有効です。職場でやたら優秀な同期がいる場合に報告の細かさで勝負したり、イケメンの彼氏のいる彼女と付き合うために顔の良さではなく共通の趣味を持つことで勝負したりなどなどです。

肝心な点は、相手が何を求めているのかを把握して、今とは違う軸をつくることです。さらりと書くのは簡単ですが、それが一番難しいことではあります。

強敵がいるときには、何が求められているのか?をもう一度考えると、意外な突破口があるかもしれない、というお話でした。

マーケティングって難しいですね。精進します。

ではではー

 

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WBS受験のために独学でした5つのこと

9月10日(土)はWBS(早稲田大学ビジネススクール)フェアでした。

早稲田大学ビジネススクール
早稲田大学ビジネススクール Photo by 130shin

WBSに行こうと思ってから、もう1年が経ちました。去年の今頃は漠然とどうなるのかなぁと思っていたことを思い出します。

まだ半年ですが実際に通ってみて、やはりWBSに来て良かったと思います。様々な業界から様々な方々が集まって、最高の教授の下で学ぶことができる時間は、何物にも代え難いものです。今まで本当に狭かった視野もグンと押し広げられ、人生の見方も変わりました。

WBSフェアで質問に応える側になって必ず聞かれるのが、どのように準備をしたかという質問です。僕も去年はすごく気になって、いろいろとWebでリサーチしたのを覚えています(下の3つはその時にお世話になったブログです)。

Be Creative! ~オンナ30歳、早稲田MBA奮闘記

早稲田MBAへの挑戦 ~メーカー社員の奮闘日記~

Self innovation

僕も参考になれば良いなぁと思い、5つほど対策をまとめてみました。ちなみに受験予備校もあるのですが、独学で対策しました。

 

1. 1000文字書くことに慣れる


WBSの試験は1次の筆記試験と2次の面接試験です。どんなに熱いハートを持っていても、まずは1次の筆記試験に通らなければ面接に進めませんので、受験生は筆記対策で頭を抱えることになります。

筆記試験は、僕の受験時には2題でした。1題目は状況から何らかの問題を抱えている会社へのアドバイスを示せという問題で、2題目は複数の問いから一つを選んで論ぜよという問題。2題目はITのビジネスに与える影響を選んだ覚えがあります。

筆記試験のために、とにかく1000文字に慣れようと思いました。1問1時間で、回答構成に15分掛けると実際に書くことができる時間は45分。この間にペンで書ける文字は1000文字前後です。会計士試験の時の僕の経験から。

9月から隔日の頻度で「しんのすけの破」というブログを更新しました。約500文字ぐらいのエントリーで、どの程度の長さでどの程度のことが書けるのかを試していました。500文字だと7パラグラフぐらいですので、1000文字ですと10-15パラグラフの回答になります。その間に自分の主張をギュっと詰める必要があるのです。

普段1000文字を書き慣れていない方は、まず1000文字を試しに書いてみることをおすすめします(このエントリーのここまでで約1000文字です)。

 

2. 論点の特定と意見を持つことに慣れる


どのような問題が出るのか分からないため、広いトピックを知っている必要があります。その中でおすすめなのは、「日本の論点」です。

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各界の著名人が今の論点と考えられるトピックに対して簡潔に4ページで意見を述べています。最近の論点のトレンドが分かるだけでなく、主張をどのようにまとめれば良いのかが分かりとても勉強になる一冊です。

僕は筆記対策としてはこの本以外には何も読んでいません。あとは新聞に対して意見を持つようにしていました。

 

3. 自分の研究したいことを決める


WBSでは研究テーマをエントリーシートに書くことが必要になります。修士課程なんて考えたこともなかった僕は、どのように研究計画を書けば良いのか見当もつきませんでした。そこで読んだのが下の一冊です。

国内MBA研究計画書の書き方―大学院別対策と合格実例集
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国内MBA受験予備校の出している一冊です。研究計画のテーマこそは自分で決める必要がありますが、どのように研究計画をまとめるのか、プレゼンするのかを本書で一度学ぶことをおすすめします。

研究計画は入学前の暫定的なもので、入学後に変更しても大丈夫です。ですが、入学前に問題意識がないと研究計画をつくることもできないというのも確か。現時点の考えを整理する意味でも、しっかりと一度考えておく必要があります。ちなみに、面接の時に結構容赦のない突っ込みも入ります。

 

4. 面接で聞かれる志望動機と今後への活かし方をクリアにする


同期の誰に聞いても聞かれたと言っているのが、MBAを卒業した後にどのようにそれを活かしますかという質問です。この質問と志望動機で噛んだら、おそらくその後に何を言ってもリカバリー不能です。絶対にクリアに答える必要のある質問です。

普段の仕事の中で感じた問題点と、それをどのようにWBSで解決するのかを、人に説明できるようになりましょう。入学後も同期から何度も何度も聞かれることです。ブレのない回答をするために、一度自分と向き合うことが必要です。

僕は面接で一番最初にこの質問を頂きました。

 

5. 家族へとこれからの生活を説明する


おそらく最後にして一番必要なことがこれです。WBSの全日に通う場合にはお仕事を辞められるわけですし、夜間に通う場合には22時に授業が終わり土曜日も出ずっぱりなので家族との時間が思い切り犠牲になります。そんな中で家族が支えてくれることが本当に必要です。

僕はWBS夜間に通っています。平日の夜に加えて土曜日もほぼ一日使ってしまい、帰ってきてからも宿題が沢山ありますので、どうしても家族との時間が犠牲になりがちです。ただ、そんな生活を理解して支えてくれる家族だからこそ、この生活を続けることができています。

どのような生活になるのか、どう家族をケアしていくのか、そしてこれからどのように生きたいのかを家族と共有してからチャレンジしましょう。喜びも分かち合うことができるように。

 

まとめ - 最後はご縁


偉そうにずらずらと書いてしまいました。僕は全て中途半端で、もっとこうしていたら良かったなぁと思いながら書いています。

やるだけのことをやったら、最後はご縁です。

良い師との、友との、二度とない出会いが待っています。いっしょに、がんばりましょう。

ではではー

 

 

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ブログでマーケティング修行を!

ブログってマーケティング体験もできるのね。

Marketing to LatinosMarketing to Latinos / modern-mami

僕がブログを始めた理由は自分の考えをまとめる場所を確保するためでした。日ごろインプットしたことたちが何もせずに流れ出ていってしまうのが惜しくて始めたのがこのブログです。

長く続けると何でも上達するものです。今、このエントリーもiPhoneで書けるほどになりました。

ある程度エントリーが集まってきたことから、どんなエントリーが注目を集めて、どんなエントリーはあまり注目されないのかも分かってきました。で、思ったことが、これってマーケティングと同じだなぁということです。

ブログリーダー数 = 新規リーダー数 x (新規リーダー数 x リピート率)

商品がどれだけ売れるかは、2つの要素に分けることができます。新規のお客さまに知ってもらえる可能性、そして、既存のお客さまからの支持です。

ブログで言えば、新規のお客さまの支持とは、検索やリンクで来てくれるリーダーのこと。その獲得のためには、トレンドの話題に乗ることや、広く興味を持ってもらえそうな話題を選ぶことが必要となります(少し前に話題になりましたが、アクセス数の既に多いサイトでゲストライターとなるのもこの一環です)。

ですが、トレンドの話題は競合のエントリーも多く、広く興味を持ってもらえそうな話題はインパクトが薄いという難点もあります。このトレードオフは会社が商品を出すときの悩みそのものです。

一方、既存のお客さまの支持とは、ブログで言えば定期購読してくれるリーダーの獲得です。

これは、新規のリーダーの獲得よりもさらに難しいと感じます。リーダーの興味に合った話題を提供する必要があるため、ブログのアイデンティティがしっかりしている必要がある一方で、あまり話題を絞るとそもそも新規のリーダーが見てくれないという悩みもあります。

また、ある程度の更新頻度を確保しつつ、エントリーの質もリーダーに満足してもらえるものでなければいけません。こちらもトレードオフです。

このようなジレンマを個人で感じていることは、必ず仕事のときにも役に立ちます。ブログは自分という商品を発表する場でもあるので、結構本気にもなりますしね(笑)

アクセス数が集まるとこんな楽しみもあるんだなぁと、少し驚きました。ぜひ、より多くの方にブログを経験してほしいなぁと思います。面白いですよー!

ではではー

 

 


関連書籍


わかりやすいマーケティング戦略 新版 (有斐閣アルマ)
沼上 幹
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ホスピタリティで日々を鮮やかに

最近、ホスピタリティ業について学ぶ機会が多く、とても勉強になります。

AmantakaAmantaka / missmonet

 

ホスピタリティ業とは、お客様に価値のある時間を提供する業界です。形のないモノが成果であるサービス業とも区別されます。例えば、レストラン、ホテル、アミューズメントパークなどを指します。

確かに、知識や利便性を提供するサービス業とは違うものが提供されているなぁ、と気付くとともに、今までの感性の鈍さを反省します。

ホスピタリティ業を特別なものにしているのは、以下の4つの特徴です。

1. 消滅性
2. 不可分性
3. 不均一性
4. 非有形性

つまり、「いまだけ、ここでのみの、その時限りの、体験」の提供であるということです。

ここで、武士の斬り合いを思い浮かべる僕は、業界の方々に怒られてしまうかも。でも、本質は同じような気がします。

トレーニングが日常であったら、そのアウトプットこそが非日常です。武士の斬り合い、試合いとは、自分の命を掛ける究極の体験です。だから、相手も敬うといったホスピタリティに近い考え方も生まれるのだと思います。

試合いまではいかなくとも、身の回りを見回せば、「今、ここ、ひとつだけ」の体験は必ずしも少なくないはずです。上司と、同僚と、クライアントとのひと時は、まさに一期一会。

普段は流してしまいがちですが、意識して毎日を送ることの大切さを感じます。

ホスピタリティ業の考え方は、たとえその業界に属していなくとも役立ちます。普段の無意識が意識化される感覚です。

ぜひぜひ、自分とは疎遠な世界なんておっしゃらずに。

世界って1つの空でつながってますからね(笑)

ではではー

<参考文献>
Experience Economyについては以下の論文が分かりやすいとのことです(英語)。

Welcome to the Experience Economy

 

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WSJP.チャリティー講演会プロジェクト

8月23日(火)より、WSJP.チャリティー講演会プロジェクトが始まります。

WSJP.は早稲田大学ビジネススクール(WBS)の卒業生が中心となって、被災地の方々のためにできることを突き詰めて考えた結果生まれたプロジェクトです。

その活動の一つに、チャリティー講演会プロジェクトがあります。

WBSで教えられている教授の方々が全10回、4ヶ月、リレー方式で講演されるというもの。一回あたり5,000円の寄附をお願いしています。

WBSに通っている学生としては、この教授陣を見るだけで、どれだけこのプロジェクトが本気で運営させているか分かるぐらいのラインナップです。中には授業を受けようとしても応募多数で抽選となるような先生もいらっしゃいます。

僕がWBSに通って分かったことは、経営はひとつひとつの機能を見るだけでは全く分からないということです。企業のさまざまな活動が相互に関係し合い戦略が出来上がるという全体的な視点が僕には完全に欠けていました。それは意識しないと見えないものです。

普段の仕事では、担当している役割を果たすことにあくせくしてしまいます。その仕事がどのような俯瞰図の中で、何を果たしているのかを意識することは難しいものです。だからこそ、各種のビジネススクールがあるのだと思います。

今回の一連のWSJP.チャリティー講演会からは、この全体を見渡す視点を得ることができます。どのような機能が会社にあり、どのようにそれらの機能が相互に関連しながら動いているのかを考えることができます。

被災地の方々のためにも、あなたのためにも。

この国が培った「人の力」を、この国を「興す力」に。

ぜひ。

 

WSJP.HPリンク


http://www.wsjp.org/

WSJP.チャリティー講演会リンク


http://www.wsjp.org/project/lecture/about.html

 

 

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青い海の見つけ方 - ブルーオーシャン戦略pt.2

前回、ブルーオーシャン戦略とは新しい価値を新しい顧客に届けることによって新市場を創出する戦略であると考えました。

Blue Sky, Blue Ocean
Blue Sky, Blue Ocean Photo by razrez

ブルーオーシャン戦略が新しい理論であると言われるのは、従来の競争戦略論のトレードオフを否定している点です。従来、競争戦略論ではコスト・リーダーシップ戦略と差別化戦略を同時に追求することはできないと言われてきました。

五つの競争要因に対処する場合、他社に打ち勝つための三つの基本戦略がある。
1. コストのリーダーシップ
2.  差別化
3.  集中
ときには、このうち二つ以上を主目標にしてうまくゆくこともあるが、後述するように、これが可能になることはまれである。
MEポーター, 「競争の戦略」, ダイヤモンド社,  1980年, P.56

では、なぜブルーオーシャン戦略はコスト削減と差別化の両方を同時に追い求めることができるのでしょうか。それは、既存の競争を想定していないからです。従来の競争戦略論は既存の市場での優位性の創出を目標としていたのに対して、ブルーオーシャン戦略は新市場の創出を目標としています。

この考える前提の変更がブルーオーシャン戦略のとても斬新な点であり、かつ、議論を呼ぶ点でもあります。実際に海外のWikipediaでの"Criticisms"欄の書き込みはポーターの理論よりも多いです(Wiki)。

成長市場では競争戦略による優位性の創出に意味がありますが、成熟市場ではより新需要の創出が重視されることは明らかです。その点で、1980年から25年を経て成熟産業が増えてきた環境下でブルーオーシャン戦略が提案されたことにはとても合理性があると思います。

今回は、そんなブルーオーシャン戦略ではどのように新市場を創出するのかを考えてみます。

 

新たな需要を掘り起こす


ブルーオーシャン戦略では非顧客層を3つのグループに分けて考えています。

非顧客階層
非顧客階層 Photo by 130shin

第1グループは今の製品・サービスからすぐに逃げ出す可能性のある層、第2グループは今の製品・サービスを買わないと決めた層、第3グループは市場から距離のある未開拓の層と定義されています。この第3グループまで製品・サービスを届かせることがブルーオーシャン戦略の目標です。

例えば、任天堂のWiiは第2グループまで届いた例です。Wiiの当初のコンセプトは「お母さんに嫌われないゲーム機」、そして、最終的には「家族全員に関係のあるゲーム機」であることを目指して作られました。それによって、PS3やXBOXなどの高級ゲーム機を敬遠していた層に迎え入れられることに成功しました。

また、同じく任天堂のNitendo DSは明確にユーザーの拡大を目指して作られた製品です。1家に1台のゲーム機から1人1台のエンターテイメントマシンへ。そのために、大きな画面、2つのスクリーン、タッチペンによる簡単操作といったシンプルかつ分かりやすい驚きが盛り込まれました。

加えて、従来にはないゲームも多く発売されました。脳トレ、ニンテンドッグスなどのソフトは年齢の高い層や海外のユーザーに広く受け入れられています。その結果、第3グループまでが製品を買い求め、累計1億台の販売を4年3ヶ月で達成しています(iPodは5年半、PS2は5年9ヶ月を必要としました)。

ゲーム市場は成熟産業と言われ、まさに性能開発による激しい競争とお客の減少が著しい業界でした。その中で任天堂がゲーム人口を増やすために採ったブルーオーシャン戦略は多くの示唆を与えてくれます。

業界内でのルールでの競争よりも、自分たちはどのような価値を創り出し、誰に届けたいのかを考える。それが新顧客層の開拓の第一歩です。

 

戦略キャンバスによる価値の確認


自分の事業がどのような価値をお客に提供していて、それが他社とどのように違うのか。それを分析するためのツールが戦略キャンバスです。

Strategy-Canvas-Nintendo-Wii-781861
Strategy-Canvas-Nintendo-Wii-781861 Photo by nannona

例えば、この方の描いた戦略キャンバスでは、PS3とXBOXは同じような価値曲線を見せているのに対して、Wiiのそれは明確に異なることが分かります。良くも悪くもインパクトのある商品の価値曲線は他の商品の価値曲線とは異なるものを描くことになります。

Blue Ocean Strategy
Blue Ocean Strategy Photo by 130shin

これはブルーオーシャン戦略の作者のHPにある戦略キャンバスの説明のための図です。業界の価値曲線がお客の要望を平均的に提供するのに対して、ブルーオーシャン戦略の価値曲線は一部お客の要望を無視したものとなっています。

僕はこのメリハリがブルーオーシャン戦略の最も大切なものであると考えています。

ブルーオーシャン戦略による商品は何かの強みを持つことが必要となりますが、ある要素に力を入れるためには他の要素にまで同じ力を割くことはできないはずです。その力を注ぐもの、削り落とすものの選別こそがブルーオーシャン戦略の要です。

戦略キャンバスを描くことによって、自分の提供する価値のどこが新しく、どこが他社と違うのかを認識することができます。この戦略キャンバスのコントロールによってブルーオーシャン戦略の基盤が創られます。

ただし、戦略キャンバスでメリハリのある価値曲線を描くためには、自分がお客に何を提供しようとしているのかを明確に把握することが必要になります。そのため、まずはお客に提供したい価値は何なのかという自問からブルーオーシャン戦略は始まると言ってもよいのではないでしょうか。

 

ブルーオーシャン戦略のリスク


コスト低減と差別化を両方同時に追い求めることができるとするブルーオーシャン戦略ですが、その最大の弱点が戦略キャンバスによって明らかになります。戦略キャンバスの横軸、お客に提供する価値の認識を失敗した場合には誰からも必要とされない商品になってしまうのです。

そのため、ブルーオーシャン戦略の対価とは、事業の成功率が通常の事業よりも読めないというリスクになります。このリスクを管理することがブルーオーシャン戦略を採用すると決めた経営者の一番注力しなければならない点です。

これまでに安定した業績を達成できている会社ならば、事業のポートフォリオによって資産の一部のみをブルーオーシャン戦略に割り当てるという方法が有効でしょうし、逆に面白法人カヤックのように、価値曲線にメリハリのある事業を数多く実施して、生き残ったものだけを継続するという方法もあります。

どのように事業への経営資源の振り分けを行うかは経営戦略の考え方次第です。ただ、ブルーオーシャン戦略=良い戦略と必ずしも短絡的に考えてはいけないと思います。

 

戦略キャンバスの横軸設定・縦軸測定の難しさ


戦略キャンバスの横軸の設定を誤ると誰にも必要とされない商品が出来上がると書きましたが、この横軸の設定が非常に難しいと感じています。通常、既存の競争の軸が横軸ととらえられがちですが、お客が本当に望んでいる価値は何なのかはお客自身も分かっていないからです。

Wiiのケースでは、ユーザーインターフェイス=コントローラーの革新という、それまで誰も気づいていなかった価値に注力したため他の商品と異なる価値曲線を描くことができました。しかし、このユーザーインターフェイスの価値に気づくことができる人がどれだけいるのか。再現性があるのかは疑問です。

また、価値曲線の縦軸の測定方法も本からは読み取ることができません。自社の商品が価値を提供できていると考えていた要素で、実はあまり競争力がなかったという話は往々にして出てきそうなものです。

この問題についてはまだ引き続き考えていきたいと思います。

 

まとめ - 成熟産業でこそ必要なブルーオーシャン戦略


ブルーオーシャン戦略はお客に提供する価値にメリハリを持たせることによって市場を拡げる戦略です。一方で、その対価として不確実性の高い戦略であるとも言えます。そのため、成熟産業で必要な考え方であるにもかかわらず、成熟産業でこそ敬遠されがちな戦略です。

僕はブルーオーシャン戦略は先進国のような成熟産業を多く有する国、まさに今の日本に必要な戦略だと思います。レッドオーシャンでの競争に全力を注ぎ、がんばっているのだけれども昔のような手応えを得られないと考えている企業は多いのではないでしょうか。そんな会社にほんの少しブルーオーシャン戦略に経営資源を振り分けてもらえれば、つまり、ほんの少し今とは違うことをするというチャレンジをしてもらえればと思います。

そんな無責任なことばかりを言ってもしょうがないので、僕も一所懸命に考えなければなぁと思う次第です。

ではではー


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ブルーオーシャンはどこにある? - ブルーオーシャン戦略pt.1

ブルーオーシャン戦略は新市場を切り開き、競争とは無関係の状況を創り出す経営戦略です。

Blue Ocean & Sky
Blue Ocean & Sky Photo by Good Glass Photos

競争に関して様々なツールが出回り、その運用に企業が習熟するほど、競争は激化していきます。皆がまじめに考えるようになったら、そりゃ大変なことにもなりますよね。既存の競争を続ける限り、新しい分析ツールの導入と組織的な適用という体力勝負は避けられません。この競争の激化した既存市場を本書ではレッド・オーシャンと呼んでいます。

公認会計士試験も専門学校が朝7時から講義なんか始めるもんだから、受験生の競争はさらに激しいものとなってしまっていました。そして、体力的にダウンする人が続出。まさにレッド・オーシャン…

そこで、競争をしなくて良い市場を造り出すことに注力しましょう、というのがブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press) の趣旨です。本書では企業が探すべきブルーオーシャンは以下のように定義付けられています。

いまはまだ生まれていない市場、未知の市場空間のすべて(P.20)

では、このブルーオーシャンをどのように創り出すべきか…という議論に入る前に、今回は何がブルーオーシャンなのかということを考えてみます。

 

レッドとブルーのあいだ


既存の市場がレッドで、新しい市場がブルーなので、全く新しい製品・サービスを提供するもの以外はブルーにならないのでしょうか。では全く新しい製品・サービスとは?

本書では、シルク・ドゥ・ソレイユが「サーカス」というカテゴリーの中で新市場を創った例として挙げられています。サーカスはバリバリの競争市場。その中でユニークなスタンスを採ったことによりブルーオーシャンを創出したとされているので、必ずしも商品・サービスが既存のものから派生してはいけないというわけではないようです。

では、シルク・ドゥ・ソレイユの何が新しかったのかと読んでいくと、以下の文章に当たります。

要するに、シルク・ドゥ・ソレイユはサーカスと演劇の枠だけを集め、それ以外の要素は取り除くか役割を軽くした。かつてないほど大きな効用をテコにブルー・オーシャンを創出し、伝統的なサーカスとも演劇とも一線を画した、ライブ・エンターテイメントの新境地を切り開いたのだ。(P.35)

シルク・ドゥ・ソレイユが新しかったのは、サーカスでもない、演劇でもない新しい「ショー」を創り出したことにあります。この新製品が今までサーカスの対象外となっていた消費者=少し年齢層の高い家族連れやカップルという新しい消費者層にリーチしたのです。

その意味で、シルク・ドゥ・ソレイユのサーカスはサーカスに区分されるものの、既にサーカスでは無い何かであると言えます。このように、既存のものと似ているのだけれども、明らかに何らかの機能が違う製品・サービスを生み出すことがブルーオーシャン戦略であると言えそうです。

 

機能が違うとは?


機能が違うとは、その製品・サービスを使うことによって得られる価値が既存の製品・サービスとは違うことを指すと言えます。

例えば、電気自動車。これはブルーオーシャン戦略にて生まれた製品なのでしょうか。僕は違うと思います。電気自動車を使うことによって得られる価値は移動手段という意味で今までの製品と変わりません。そのため、電気自動車はレッドオーシャンの競争の中で生まれた既存の製品であると言えます。

一方で、よく言われるのがWii。こちらは、一人で楽しむようになってきていたゲームを再び皆で遊べるものにしたという価値を生み出しています。これは、一人のプレイヤーをいかに上手く楽しませるかに特化してきていたゲーム市場で、皆で遊べるという新しい機能を創出したという点でブルーオーシャン戦略であったと考えてよいでしょう。

つまり、新しい価値を生み出して、新しい顧客層にアプローチすること。それがブルーオーシャンを創出することと言えそうです。

 

創り出した海は本当にブルーオーシャンなのか?


ひとつ疑問なのが、当事者がブルーオーシャンを生み出したと考えていても、さらにマクロな目で見れば階層の違うレッドオーシャンに入っただけとも考えられるのではないか、ということです。シルク・ドゥ・ソレイユは新しい市場を生み出したと言えるかもしれませんが、競争相手が既存のサーカスではなく、新スタイルの演劇に変わっただけとも見ることができるのではないかと思います。

シルク・ドゥ・ソレイユの新しい競争相手としては、演劇のブルーマンや、劇団四季、イリュージョンショーなどが挙ってくるのではないでしょうか。市場をレイヤーとして考えると同じ単価で知的な演劇という価値を提供しているものが新しい競争相手になりそうです。

さらに、家族向けレジャーやエンターテイメントで区切れば、シルク・ドゥ・ソレイユは遊園地やWiiとも競争しているとも言えます。お客の財布も時間も一つしかないですからね。こう考えると、異種格闘技に参戦しただけではないかとの疑問もわくのです。

競争相手の階層
競争相手の階層 Photo by 130shin

 

まとめ


ブルーオーシャンは新しい価値を新しい顧客に届けることによって生まれます。ただ、それは別のレイヤーでのレッドオーシャンに入っただけとも言えるかもしれません。しかし、既存のレッドオーシャンでは明確な差別化を図ることができているわけですから、単なる体力勝負を避けることはできています。

体力勝負は消耗戦です。消耗戦では最後に両者共倒れということもあり得ます。そのような事態を避けるために、積極的にブルーオーシャンを意識して戦略を立案する必要があるのでしょうね。

ブルーオーシャン。簡単な概念のようで、いざ考えてみると難しい。その深さが全世界で活発な議論を呼ぶ理論たる証左なのでしょう。

ブルーオーシャン戦略については、まだ何回かエントリーを考えています。宜しければおつきあいを。

ではではー

cf.ちなみに、冒頭の定義は僕の理解です。より詳しくは本家のページをご参照ください。

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ランダムハウス・著者インタビュー
Blue Ocean Strategy

 

参考図書

ブルー・オーシャン戦略 競争のない世界を創造する (Harvard business school press)
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